高知

高知市「コレンス」ネコ社員が働くレトロ&アートな複合施設

「コレンス」の外観

高知市菜園場商店街に佇む「コレンス」。美しく手入れされた庭を抜けると、そこは別世界のような空間が広がっています。レトロ建築×カフェ×アート、そしてネコ。高知に新たなカルチャーをもたらす場所へ、出かけてみませんか?

コレンスとは|高知のレトロ建築を活かした複合文化施設

「コレンス」の正面入り口

昭和へタイムスリップしたようなレトロな木造の建物「コレンス」。ここは、1953年に建てられた「コレンス洋裁女学院」という学校でした。廃校になって使われなくなった建物をリノベーションし、今では複合施設「コレンス」として再び人々の集まる場所へと生まれ変わりました。

「コレンス」の店内

ギャラリーやカフェ、サロンなど若い世代が集まる新しいカルチャースポットとして注目されるこの場所には、もう一つのユニークなポイントが…

「コレンス」に常駐するネコ社員

それは、施設内に”ネコ社員”がいること!
「ここなら安心できる」と感じたのか、地域猫たちがコレンスにやってくるようになり、そのうち住み着いて、ネコ社員になりました。

「コレンス」のネコ社員とスタッフさん

現在は、2階14号室のライカラ不動産(ライフ・カラーズ)に、ネコ社員のコメとちびが常駐。ネコと人が程よい距離感で共生し、それぞれの店主さんたちも程よい距離感で付き合う。古き良き長屋暮らしのような関係性がここにはあります。

だから訪れる人も心地よく、ずっといたくなる。ネコ好きならなおさらです!

コレンス

マップでみる

Oz Bagels|素材にこだわり、本格派かつ遊び心あふれるNYベーグル

「Oz Bagels」で発売されているベーグル

1階1号室にある「Oz Bagels(オズベーグルス)」。

「本当においしいベーグルを食べたい」というオーナーの想いから生まれたベーグルは、外はパリッ、中はもちっとしたNYスタイルの本格派。毎日食べたいシンプルなおいしさを探求した、一つひとつ手仕事のベーグルです。

「Oz Bagels」のオーナー

元々建築士だったオーナーは、京都の美術大学在学中にベーグルにどハマり。建築士として高知で活動していましたが、新たなことにチャレンジしたいと、学生時代から好きだったベーグルを極めることにしたと話します。

「Oz Bagels」の店内に並ぶミニカーやフィギュア

コレンスとの出会いは偶然。1階1号室に別のお店が入っていた頃に訪れたことがあり、その雰囲気に惹かれていたそう。店を移転するとき、たまたま空いていることを知り、即入居!レトロな雰囲気を踏襲しつつ、あるものを活かしてカウンターなどをDIY。

「Oz Bagels」でベーグルを並べるスタッフさん

よんでん編集部が取材に伺った際は、同じくコレンスで美容室を営むご家族が「Oz Bagels」の開店準備をお手伝い。お店同士も仲良く、とっても温かみのある空間が広がっていました。

「Oz Bagels」の店内に並ぶベーグル

「ベーグルは、日本のおむすびのような感覚で、素材の組み合わせを楽しめるものだと思います」とオーナー。

小麦粉、砂糖、塩などシンプルな材料で焼いた定番のプレーンをはじめ、一番人気のチョコチップ、ブルーベリー、ミルク、コーヒー、黒胡麻、ボルケーノ(チーズベーグル)など、100種を超えるレシピの中から、毎日9〜10種のベーグルが並びます。

「Oz Bagels」のベーグル
【ゴジラベーグル、フォンダンショコラベーグル】

季節限定ベーグルが豊富なのも、「Oz Bagels」 の人気の秘密。

朝ドラ記念に開発した「あんぱんベーグル」や、11月1日のゴジラの日にちなんだ「ゴジラベーグル」は、竹炭を練り込んだブラックな生地に、ベーコンやチーズを合わせた技ありのひと品。

またクリスマスとバレンタイン限定のフォンダンショコラベーグルも名物で、1日300個売れる人気商品なんだそうです!

「Oz Bagels」のプレーンベーグルで作るサンド
【ベーグルパニーニ ベーコン&チーズ(580円)、特製コーヒー牛乳(450円)】

プレーンベーグルで作るサンドもあり、生ハムやハムチーズ、あんバターなどバリエーションも豊富。ベーグルサンドを専用のプレートで潰し焼きにしたパニーニもおすすめです。淹れたてのコーヒーや、自家製コーヒーシロップで作る「特製コーヒー牛乳」などのドリンクと一緒に、店内でゆったり味わうこともできます。

「Oz Bagels」の外観

取材の間にも、どんどん売れていくベーグル。取材が終わる頃には、売り切れている種類もたくさんありました!ぜひ、午前中早めの来店がおすすめ。取り置きもOKです!

Oz Bagels

マップでみる

Chez Petit Chat Noir|高知市の本格フレンチランチ!看板猫がお出迎え

「Chez Petit Chat Noir」のテラス席

1階3号室にあるビストロ「Chez Petit Chat Noir(シェ・プティ・シャ・ノワール)」。店名は「小さい黒猫の店」という意味で、ファンからは「プティシャノ」の愛称で親しまれています。

「Chez Petit Chat Noir」の看板猫シャノちゃん

お店には看板猫のシャノちゃんがいて、ゲストを迎えてくれます。実はシャノちゃん、お店がオープンした後にフラッとやってきた野良猫ちゃんだったのです。黒猫の店と名付けたら、本当に黒猫がやってきたことにオーナーシェフは運命を感じたそう。

「Chez Petit Chat Noir」の看板猫シャノちゃん

今ではコレンスのみんなに愛されていて、朝はお隣の美容室で朝ごはんをもらい、営業時間になるとそろりそろりと出勤するんだとか!お客さんの隣や足元でゴロンとくつろぎ、時には膝に乗ってくれることも。働き者のシャノちゃんです!

オーナーは長年料理人として勤め上げ、定年を機に「自分の店を持とう」と一念発起。娘さんの勧めもあってコレンスに入居し、2023年6月にオープンしました。

「Chez Petit Chat Noir」のオーナー

「お店は家族の支えがあってこそですよ」…そう笑顔で語るオーナー。やさしい雰囲気がプティシャノの料理にも表れています。

ランチタイムは洋食をベースとしたメニュー構成。地元高知の地鶏・土佐ジロー卵のオムライスや鉄板ハンバーグステーキ、本日のパスタ、ガレットなどが選べます。

「Chez Petit Chat Noir」シェフおすすめプレート
【シェフおすすめプレート(1,400円)、サービスセット(500円)】

中でもシェフおすすめプレートは、高知の旬の野菜を中心に、ご飯に合う9種のバラエティ豊かなお料理が味わえる人気メニュー。少しずついろいろと食べたい人にはぴったり!もっとフレンチを楽しみたい人は、予約制でフレンチミニコースもオーダーできます。

「Chez Petit Chat Noir」でいただけるコーヒーとケーキ

ランチのデザートもオーナーシェフの手作りです。

ディナータイムは伝統的なフランス料理をコースとアラカルトで用意。気のおけない友人とのお食事会から記念日ディナーまで楽しめます。

「Chez Petit Chat Noir」の店内の様子

夜はライトアップした庭を眺め、異国情緒あふれる雰囲気をゆったりと楽しめるのも魅力。カウンターもあるので、お一人様でも気軽にどうぞ。

「Chez Petit Chat Noir」の外観

シャノちゃんとやさしいオーナーシェフに迎えられ、おいしいフレンチで癒やしのひとときを。

Chez Petit Chat Noir

マップでみる


GALLERY E|アートが高知のまちと人とをつなぐ

 コレンスのギャラリー
【光蟲 森尾 望美】

2階13号室の扉を開くと、そこには広さ横3.5m×縦3.5m×高さ3mの小さなギャラリーが広がります。

あらゆるアーティストにとっての入り口であり、アーティストの自由な発想を喚起させるような場所…見る人がアートに触れるきっかけとなり、参加型で様々な展開が広がるアートスペースです。

「わ、わ、わ、わたし、TOKYO藝大受けます!展」今井桃子(桃汁)
【「わ、わ、わ、わたし、TOKYO藝大受けます!展」今井桃子(桃汁)】

県内外の新人から重鎮作家まで、新しい表現を展示できるこの空間。レンタル料は1週間16,500円(税込)と良心的で、展覧会も随時募集しています。表現したいものがある人は、気軽に相談してみてください。

「玉木かつこ GARDEN」
【「玉木かつこ GARDEN」】
西原アニィ顔ハメ展2019
【西原アニィ顔ハメ展2019】

なんと、壁や天井に穴をあけるのもOKというおおらかさ!高校生アーティストやクリエイターも出展しており、展示のジャンルも問いません。敷居の高いイメージのギャラリーですが、ここなら気軽に立ち寄れる雰囲気があります。

GALLERY Eのオーナー 岡本明才さん

「ほかのギャラリーではできないことができるということで、ユニークなアーティストやクリエイターの方々がアクセスしてくれるんですよ。かと思えば、重鎮の方も気に入ってくださっていたり…」と話すのは、ギャラリーのオーナー・岡本明才(めいさい)さん。

ネコをかわいがる岡本さん

コレンスの大家さんであり、写真家であり、リノベーターでもある岡本さん。そしてギャラリーの奥に住んでいます。実はこのギャラリー、岡本さんの住居の一角に構えたスペースなんです。「生活のためにギャラリーしています(笑)」

アートがまちと人をつなぐ”場”として、重要な役割を果たしています。

GALLERY E

マップでみる

地域を元気にする「コレンス」の取り組みと未来

コレンスの室内の様子

コレンスは、戦後間もない頃に建てられました。それを不動産会社のライフ・カラーズが購入し、2017年から自社でテナントビルとして管理することに。

「築70年って、レトロ建築としてはちょっと中途半端なんですよ。窓も大正時代のような歪んだ味のあるガラスではないし。増築もしているので、土壁もあればそうじゃないところもあって。でもその中途半端さをあえて残していくのがいいなと思って」と岡本さん。

コレンスにある昔の窓

大きな梁や壁、窓など残せるものは残しつつ、商業施設としてリノベーション。岡本さんも大家さんとして常駐し、テナントさんの相談窓口としての役目を担っています。

コレンスの外の様子

お庭も一から岡本さんが手づくり。通りに面していながら、一歩足を踏み入れると、そこは別世界な空間を創造しています。

コレンスの壁に貼られた写真たち

毎年11月に開催する「コレンス文化祭」は今年で9年目。コレンス良心市などのイベントも開催しており、まちと人が自然に交流する拠点となっています。

まとめ|コレンスが描く“文化と日常の交差点”

コレンスの階段と手洗い場

旧洋裁学校をリノベーションした高知市のレトロな複合施設「コレンス」。今回ご紹介したベーグル、フレンチビストロ、ギャラリーのほか、カフェやサロン、占いなど個性豊かな店舗が多数集まっています。グルメもアートもおしゃれもイベントも、一度に楽しめる便利な場所です。

コレンスの外にいるネコ社員

レトロな建築とクリエイティブな文化が融合し、”ネコ社員”が働くユニークな空間。人と人をつなぎ、時代をつなぎ、高知に新たなカルチャーをもたらす場所として、地域に愛され続けています。

コレンスの看板

美しい庭を眺めながら、ベーグルやフレンチランチを味わい、アートに触れる。そして、のんびりと過ごすネコたちに癒やされる。そんな贅沢なひとときを、コレンスで過ごしてみませんか?

愛でたいPoint!

レトロな建物とアートとネコ。高知市のコレンスは、訪れるたびに新しい発見がある場所!「中途半端さをあえて残そう」という言葉に、建物への愛情を感じました。のんびりとした時間が流れる空間で、文化と日常が交差する瞬間を楽しんでくださいね。

*2025年11月27日時点の情報です。内容は変更となる場合がありますので、最新情報をご確認ください。

他にも猫に癒やされるスポットをご紹介中!

関連記事

SHARE

  • Xでシェア
  • FBでシェア
  • LINEでシェア
#愛でたい四国 をつけて感想をSNSに投稿しよう!
TOPへ戻る