2025.11.27 味わう
高知市「コレンス」ネコ社員が働くレトロ&アートな複合施設

高知市菜園場商店街に佇む「コレンス」。美しく手入れされた庭を抜けると、そこは別世界のような空間が広がっています。レトロ建築×カフェ×アート、そしてネコ。高知に新たなカルチャーをもたらす場所へ、出かけてみませんか?
目次
コレンスとは|高知のレトロ建築を活かした複合文化施設

昭和へタイムスリップしたようなレトロな木造の建物「コレンス」。ここは、1953年に建てられた「コレンス洋裁女学院」という学校でした。廃校になって使われなくなった建物をリノベーションし、今では複合施設「コレンス」として再び人々の集まる場所へと生まれ変わりました。

ギャラリーやカフェ、サロンなど若い世代が集まる新しいカルチャースポットとして注目されるこの場所には、もう一つのユニークなポイントが…

それは、施設内に”ネコ社員”がいること!
「ここなら安心できる」と感じたのか、地域猫たちがコレンスにやってくるようになり、そのうち住み着いて、ネコ社員になりました。

現在は、2階14号室のライカラ不動産(ライフ・カラーズ)に、ネコ社員のコメとちびが常駐。ネコと人が程よい距離感で共生し、それぞれの店主さんたちも程よい距離感で付き合う。古き良き長屋暮らしのような関係性がここにはあります。
だから訪れる人も心地よく、ずっといたくなる。ネコ好きならなおさらです!
コレンス
- 高知県高知市桜井町1丁目4-5
- 088-821-8200(株式会社ライフ・カラーズ)
- なし
- https://lifecolors.co.jp/correns/
- https://www.instagram.com/corens_kochi/
- https://www.facebook.com/corens.kochi/
Oz Bagels|素材にこだわり、本格派かつ遊び心あふれるNYベーグル

1階1号室にある「Oz Bagels(オズベーグルス)」。
「本当においしいベーグルを食べたい」というオーナーの想いから生まれたベーグルは、外はパリッ、中はもちっとしたNYスタイルの本格派。毎日食べたいシンプルなおいしさを探求した、一つひとつ手仕事のベーグルです。

元々建築士だったオーナーは、京都の美術大学在学中にベーグルにどハマり。建築士として高知で活動していましたが、新たなことにチャレンジしたいと、学生時代から好きだったベーグルを極めることにしたと話します。

コレンスとの出会いは偶然。1階1号室に別のお店が入っていた頃に訪れたことがあり、その雰囲気に惹かれていたそう。店を移転するとき、たまたま空いていることを知り、即入居!レトロな雰囲気を踏襲しつつ、あるものを活かしてカウンターなどをDIY。

よんでん編集部が取材に伺った際は、同じくコレンスで美容室を営むご家族が「Oz Bagels」の開店準備をお手伝い。お店同士も仲良く、とっても温かみのある空間が広がっていました。

「ベーグルは、日本のおむすびのような感覚で、素材の組み合わせを楽しめるものだと思います」とオーナー。
小麦粉、砂糖、塩などシンプルな材料で焼いた定番のプレーンをはじめ、一番人気のチョコチップ、ブルーベリー、ミルク、コーヒー、黒胡麻、ボルケーノ(チーズベーグル)など、100種を超えるレシピの中から、毎日9〜10種のベーグルが並びます。

季節限定ベーグルが豊富なのも、「Oz Bagels」 の人気の秘密。
朝ドラ記念に開発した「あんぱんベーグル」や、11月1日のゴジラの日にちなんだ「ゴジラベーグル」は、竹炭を練り込んだブラックな生地に、ベーコンやチーズを合わせた技ありのひと品。
またクリスマスとバレンタイン限定のフォンダンショコラベーグルも名物で、1日300個売れる人気商品なんだそうです!

プレーンベーグルで作るサンドもあり、生ハムやハムチーズ、あんバターなどバリエーションも豊富。ベーグルサンドを専用のプレートで潰し焼きにしたパニーニもおすすめです。淹れたてのコーヒーや、自家製コーヒーシロップで作る「特製コーヒー牛乳」などのドリンクと一緒に、店内でゆったり味わうこともできます。

取材の間にも、どんどん売れていくベーグル。取材が終わる頃には、売り切れている種類もたくさんありました!ぜひ、午前中早めの来店がおすすめ。取り置きもOKです!
Oz Bagels
- 高知県高知市桜井町1丁目4-5 コレンス1階1号室
- 090-2820-0469
- なし
- https://lifecolors.co.jp/correns/room1/
- https://www.instagram.com/ozbagels/
Chez Petit Chat Noir|高知市の本格フレンチランチ!看板猫がお出迎え

1階3号室にあるビストロ「Chez Petit Chat Noir(シェ・プティ・シャ・ノワール)」。店名は「小さい黒猫の店」という意味で、ファンからは「プティシャノ」の愛称で親しまれています。

お店には看板猫のシャノちゃんがいて、ゲストを迎えてくれます。実はシャノちゃん、お店がオープンした後にフラッとやってきた野良猫ちゃんだったのです。黒猫の店と名付けたら、本当に黒猫がやってきたことにオーナーシェフは運命を感じたそう。

今ではコレンスのみんなに愛されていて、朝はお隣の美容室で朝ごはんをもらい、営業時間になるとそろりそろりと出勤するんだとか!お客さんの隣や足元でゴロンとくつろぎ、時には膝に乗ってくれることも。働き者のシャノちゃんです!
オーナーは長年料理人として勤め上げ、定年を機に「自分の店を持とう」と一念発起。娘さんの勧めもあってコレンスに入居し、2023年6月にオープンしました。

「お店は家族の支えがあってこそですよ」…そう笑顔で語るオーナー。やさしい雰囲気がプティシャノの料理にも表れています。
ランチタイムは洋食をベースとしたメニュー構成。地元高知の地鶏・土佐ジロー卵のオムライスや鉄板ハンバーグステーキ、本日のパスタ、ガレットなどが選べます。

中でもシェフおすすめプレートは、高知の旬の野菜を中心に、ご飯に合う9種のバラエティ豊かなお料理が味わえる人気メニュー。少しずついろいろと食べたい人にはぴったり!もっとフレンチを楽しみたい人は、予約制でフレンチミニコースもオーダーできます。

ランチのデザートもオーナーシェフの手作りです。
ディナータイムは伝統的なフランス料理をコースとアラカルトで用意。気のおけない友人とのお食事会から記念日ディナーまで楽しめます。

夜はライトアップした庭を眺め、異国情緒あふれる雰囲気をゆったりと楽しめるのも魅力。カウンターもあるので、お一人様でも気軽にどうぞ。

シャノちゃんとやさしいオーナーシェフに迎えられ、おいしいフレンチで癒やしのひとときを。
Chez Petit Chat Noir
- 高知県高知市桜井町1丁目4-5 コレンス1階3号室
- 090-5148-2630
- あり
- https://lifecolors.co.jp/correns/room3/
- https://www.instagram.com/____pcn___/
GALLERY E|アートが高知のまちと人とをつなぐ

2階13号室の扉を開くと、そこには広さ横3.5m×縦3.5m×高さ3mの小さなギャラリーが広がります。
あらゆるアーティストにとっての入り口であり、アーティストの自由な発想を喚起させるような場所…見る人がアートに触れるきっかけとなり、参加型で様々な展開が広がるアートスペースです。

県内外の新人から重鎮作家まで、新しい表現を展示できるこの空間。レンタル料は1週間16,500円(税込)と良心的で、展覧会も随時募集しています。表現したいものがある人は、気軽に相談してみてください。


なんと、壁や天井に穴をあけるのもOKというおおらかさ!高校生アーティストやクリエイターも出展しており、展示のジャンルも問いません。敷居の高いイメージのギャラリーですが、ここなら気軽に立ち寄れる雰囲気があります。

「ほかのギャラリーではできないことができるということで、ユニークなアーティストやクリエイターの方々がアクセスしてくれるんですよ。かと思えば、重鎮の方も気に入ってくださっていたり…」と話すのは、ギャラリーのオーナー・岡本明才(めいさい)さん。

コレンスの大家さんであり、写真家であり、リノベーターでもある岡本さん。そしてギャラリーの奥に住んでいます。実はこのギャラリー、岡本さんの住居の一角に構えたスペースなんです。「生活のためにギャラリーしています(笑)」
アートがまちと人をつなぐ”場”として、重要な役割を果たしています。
GALLERY E
- 高知県高知市桜井町1丁目4-5 コレンス2階13号室
- 080-6399-4681
- なし
- https://kochi-gallery-e.com/
- https://www.instagram.com/corens_kochi/
地域を元気にする「コレンス」の取り組みと未来

コレンスは、戦後間もない頃に建てられました。それを不動産会社のライフ・カラーズが購入し、2017年から自社でテナントビルとして管理することに。
「築70年って、レトロ建築としてはちょっと中途半端なんですよ。窓も大正時代のような歪んだ味のあるガラスではないし。増築もしているので、土壁もあればそうじゃないところもあって。でもその中途半端さをあえて残していくのがいいなと思って」と岡本さん。

大きな梁や壁、窓など残せるものは残しつつ、商業施設としてリノベーション。岡本さんも大家さんとして常駐し、テナントさんの相談窓口としての役目を担っています。

お庭も一から岡本さんが手づくり。通りに面していながら、一歩足を踏み入れると、そこは別世界な空間を創造しています。

毎年11月に開催する「コレンス文化祭」は今年で9年目。コレンス良心市などのイベントも開催しており、まちと人が自然に交流する拠点となっています。
まとめ|コレンスが描く“文化と日常の交差点”

旧洋裁学校をリノベーションした高知市のレトロな複合施設「コレンス」。今回ご紹介したベーグル、フレンチビストロ、ギャラリーのほか、カフェやサロン、占いなど個性豊かな店舗が多数集まっています。グルメもアートもおしゃれもイベントも、一度に楽しめる便利な場所です。

レトロな建築とクリエイティブな文化が融合し、”ネコ社員”が働くユニークな空間。人と人をつなぎ、時代をつなぎ、高知に新たなカルチャーをもたらす場所として、地域に愛され続けています。

美しい庭を眺めながら、ベーグルやフレンチランチを味わい、アートに触れる。そして、のんびりと過ごすネコたちに癒やされる。そんな贅沢なひとときを、コレンスで過ごしてみませんか?
愛でたいPoint!
レトロな建物とアートとネコ。高知市のコレンスは、訪れるたびに新しい発見がある場所!「中途半端さをあえて残そう」という言葉に、建物への愛情を感じました。のんびりとした時間が流れる空間で、文化と日常が交差する瞬間を楽しんでくださいね。
*2025年11月27日時点の情報です。内容は変更となる場合がありますので、最新情報をご確認ください。
他にも猫に癒やされるスポットをご紹介中!


















