高知

このお米、日本一!? 四万十生まれの極上おにぎりがコーヒーとマリアージュ

道の駅あぐり窪川

高知県の四万十町にある『道の駅あぐり窪川』。四万十川流域の大自然に育まれた特産品やグルメがたくさんある魅力的な道の駅ですが、その中にちょっと変わった“おにぎり屋さん”があります。噂によると、こちらのおにぎりはとにかく“お米が美味しい”のだとか。

おにぎり×コーヒー!? 四万十町の『青いしろくま』

青いしろくまの外観

道の駅の一番奥にあるのが、そのおにぎり屋さん『青いしろくま』です。「青いしろくまって、それは“あおくま”じゃないの?」って思いながら看板をよく見てみると、『おにぎりとコーヒー』の文字が。食事の際のコーヒーといえばパンを合わせるのが一般的かと思いますが、一見ミスマッチにも思えるおにぎりとのマッチング。『青いしろくま』の矛盾も相まって、とても個性的なお店です。

作り置きなしの出来たておにぎり

全10種類のおにぎり

おにぎりの具材は全部で10種類。『四万十ポーク角煮』『じゃこ味噌』『かつおマヨネーズ』など、地元・四万十町の食材を中心に、高知ならではのおにぎりが並びます。創業時は3種類のみでしたが、どんどん増えて今のメニュー数になったのだそう。そして、おにぎりは全て作り置きなし。注文ごとに出来たておにぎりを提供してくれます。

四万十町の特産品『仁井田米』ってナニ?

仁井田米を使ったおにぎり

『青いしろくま』のおにぎりの最大の特長は、使用しているお米にあります。それが、四万十町仁井田地区の特産品である『仁井田米(にいだまい)』です。仁井田米はとても香り高く、おかずが不要なほどに美味しいお米として知られていますが、この取材時まで私は食べたことがありませんでした。さて、どんな味わいなのでしょう?楽しみ!

仁井田米を使った極上おにぎり…!

おにぎり3種とコーヒーのセット

注文したのはおにぎり3種とコーヒーのセット。『青いしろくま』のウリのひとつである、おにぎりとコーヒーのマリアージュが味わえるセットメニューです。まずは、やっぱりおにぎりから。一口いく前に香りをかいでみると…、この時点で普通のお米と明らかに違います!

愛でたいPoint!

『青いしろくま』のおにぎりの楽しみ方は、まずは香り。そして、お米だけを一口。そして最後に具材と一緒に食べるのがベストです。香りに驚き、お米の美味しさに感動し、地元食材との相性を楽しむ。いきなり具材ごとかぶりつくのは野暮ってものです!愛でたいポイントをしっかり抑えて、おにぎりを楽しみましょう。

はたしてコーヒーとマリアージュするのか!

「川久保珈琲」の豆を使ったコーヒー

おにぎりは間違いなく美味しいんだろう、というのは想像していましたが、問題はこちら。はたして、おにぎりにコーヒーは合うのでしょうか?おにぎりを食べてから飲んでみると、かなりあっさり目のコーヒーでした。コーヒーの味が強すぎるとおにぎりに合わないだろうなと思っていたので、このあっさりさがちょうどいい感じ。後で店主に聞いてみると、高知の人気店『川久保珈琲』の豆を使っているそうですが、あえて豆の熟成期間を短くすることで、お米に合うあっさりとした味わいにしているのだとか。あくまでお米が主役の『青いしろくま』において、名脇役のような存在のコーヒーでした。

地域おこし協力隊から仁井田米のおにぎり屋へ

「青いしろくま」店主の篠田雄生さん

『青いしろくま』の店主・篠田雄生さんは、2021年に地域おこし協力隊として四万十町にやってきた移住者。それ以前は大手飲食チェーンの店長やエリアマネージャーの仕事をしていたのだそうです。そんな篠田さんがなぜおにぎり屋をオープンすることになったのでしょう?少しお話を伺ってみました。

「大手飲食チェーンで働いていたときは、仕事が大変で家族の時間をなかなか取れていなかったんです。そんな中、家族との時間をもっと大切にしたいという思いで、四万十町に地域おこし協力隊として移住してきました。最初は地域おこし協力隊として地場産品を売りに行く“外商”のような仕事をしていて。その後は新しい特産品の開発業務を担当するようになり、そのような活動の中で四万十町のいろんな食材に出会ったのですが、美味しさに一番驚いたのが“お米”でした」

篠田さんが一番感動した四万十町の食材「仁井田米」

「それが仁井田米だったのですが、香りも良いし味も良いし、今まで自分が食べてきたお米とは全く別物といった感じで。仁井田米は高知県内では美味しいブランド米として有名なのですが、一歩県外に出ると全くの無名なんですよ。でも、私も含め地元の人は日本一のお米だと思っています。だから、これまで飲食業に携わってきた自分の経験を生かして仁井田米を広める活動をしたいと思い、『青いしろくま』をオープンすることにしたんです」

仁井田米と呼ばれるお米には『ヒノヒカリ』や『にこまる』などいろいろな品種がありますが、どの品種でも四万十町仁井田地区で栽培するとなぜか香り高く育つのだそう。篠田さんはその仁井田米の良さを最大限に生かすことを最優先におにぎりを作っているのだと話します。

仁井田米の良さを最大限発揮するために

仁井田米の米研ぎ

「当店ではアルカリ水で仁井田米を炊いています。いろいろな水を試しましたが、アルカリ水が一番安定して美味しく炊けるんですよ。また、お米を研ぐときに傷が入ってしまうと仁井田米の豊かな風味が抜けてしまうので、できるだけ優しく研ぐようにしています」

水や研ぎ方のこだわりは仁井田米のポテンシャルを最大限発揮させるためのもの。そして、仁井田米の良さを邪魔しないためのこだわりが“塩を使わないこと”なのだといいます。

おにぎりに合うコーヒーを淹れる篠田さん

「おにぎりといえば普通は塩を使うので、私も開業前の試作段階ではいろいろな塩を試してみました。でも、どの塩も仁井田米に合わなくて。塩が、仁井田米の最大の特長である“香り”を邪魔してしまっていたんですよ。それなら、もともと十分に美味しい仁井田米をそのまま味わってもらおうと、無塩でおにぎりを作ることにしたんです」

仁井田米を引き立てる具材たち

おにぎりの具材も仁井田米の風味を邪魔しないように配慮して作っているのだそうです。

そのように、仁井田米の良さを最大限生かすように作られている『青いしろくま』のおにぎり。数個食べただけで私もすっかり仁井田米の虜になってしまいました。

道の駅あぐり窪川で売られている仁井田米

そんなわけで、同じ道の駅内の物産コーナーで販売していた仁井田米の新米を購入。自宅でアルカリ水を使って炊いてみようと思います!

仁井田米アイスがあるアイスクリーム屋さん

道の駅内には他にも仁井田米の米粉パンや、仁井田米を使ったアイスクリームなんて変わり種も売られていました。よく見ると、この道の駅は仁井田米でいっぱいです。

「道の駅あぐり窪川」の入口

ここは、「仁井田米を全国区のブランド米にしたい」と話す篠田さんの夢の出発点。
仁井田米を食べたことのない方は、まずは『道の駅あぐり窪川』から仁井田米を始めてみてはどうですか?

青いしろくま

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*2025年12月25日時点の情報です。内容は変更となる場合がありますので、最新情報をご確認ください。

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