「糸Films 田中優一」さんが紹介してくれたのは、徳島県の伝統工芸「遊山箱(ゆさんばこ)」の絵付け体験や美しくおいしいグルメスポット。文化と食の魅力を一度に体験する、大人の遠足を楽しもう!

徳島

「遊山箱」を知る徳島旅|伝統工芸体験とおすすめ和食ランチ・和菓子

江淵鏡台店の絵付け体験で完成した遊山箱を手に持つ女性

徳島県の伝統工芸「遊山箱(ゆさんばこ)」。職人さんの手ほどきを受けながら仕上げる遊山箱の絵付け体験や、遊山箱を使ったグルメをご紹介します。
文化と食の魅力を一度に堪能する、これぞ大人の遠足!徳島ならではの旅の楽しみ方をのぞいてみませんか?

遊山箱(ゆさんばこ)とは?徳島の伝統工芸品を知る観光体験

江淵鏡台店の遊山箱

徳島の伝統工芸品・遊山箱。子どもたちが遊山(現代風にいうと、遠足やピクニック)に行く際に持っていた、おやつを入れるための三段重ねの小さなお弁当箱です。
江戸後期から昭和中期頃にかけて、徳島では桃の節句や菖蒲の節句などに子どもたちが山や海、野原へ遊山をする風習があり、そのときに使われていたそう。

遊山箱のお重は、上から黄・赤・緑が定番

遊山箱のお重は、上から黄、赤、緑が基本で、中に詰めるのは、ういろう、お煮しめ、巻き寿司が定番。
ハレの日のごちそうに、子どもたちはワクワク。 野山で食べて箱が空になると、家に戻ってもう一度詰めてもらったり、近所の家で入れてもらったりしていたそうです。まるで現代のハロウィンみたいですね。

遊山箱の絵付け体験「江淵鏡台店」|雨の日も楽しめる徳島の伝統観光

遊山箱の絵付け体験で指導する江淵鏡台店の江淵達人さん

今回、よんでん編集部は、遊山箱絵付け体験ができる江淵鏡台店を訪ねました。

徳島市東部の海に近いエリアは古くから船大工が多く、江淵鏡台店も昭和初期に創業。木工の盛んな徳島で培われてきた釘を使わない伝統的な「指物(さしもの)技術」を継承し、和家具や和ダンス、婚礼の引き出物として使われる鏡台などの製作・修理に加え、遊山箱の製作も行っています。

遊山箱の絵付け体験で指導する江淵鏡台店の江淵達人さん

迎えてくれたのは、2代目・江淵達人さん。

「私自身は遊山の経験はありませんが、母が子どもの頃は遊山箱を持って桃の節句を楽しんでいたと聞いています。徳島県内でも、市街地や里山、海辺など、住んでいる地域によって習慣は少しずつ違ったようです」と教えてくれました。

江淵鏡台店で遊山箱の絵付け体験をする女性

愛でたいPoint!

江淵さんの熟練の「指物技術」は遊山箱をつくる際にも用いられています。組み合わせる木材の一方に突起状の「ホゾ」、もう一方に「ホゾ穴」をつくり、隙間なく差し込むことで釘など金物がなくても強固に接合。寸分の狂いなく木材をぴったりと合わせる職人技に脱帽です!

いざ、絵付け体験スタート!

絵付け体験で蓋に桜を描いている様子

木工を生業とするなかで、遊山箱の復活に携わる機会を得た江淵さんは、伝統の技術を生かして遊山箱を製作。徳島の伝統工芸である藍をテーマにした「藍染遊山箱」など、伝統と現代が美しく融合した作品づくりにも意欲的です。

さらに「徳島の子どもたちにこの素晴らしい文化を伝えたい」との思いから体験も受け付けています。

絵付け体験に使う遊山箱

体験では、江淵さんがつくった遊山箱に絵付けができます。
筆や絵の具は用意されており、エプロンも貸し出してくれるので手ぶらでOK!

遊山箱の絵付け体験

江淵さんが基本の塗り方や注意点などを丁寧に教えてくれるので、安心して挑戦できます。

遊山箱の絵付けで外側の箱を塗る工程

王道の遊山箱は黄、赤、緑の配色ですが、何色でも自由に選ぶことができます。お重を入れる外側の箱、3つの引き出しの順に色を付けて、乾かします。

遊山箱の絵付けで、トレーシングペーパーで型紙から転写する工程

乾いたら、次は絵付けです。花・紅葉など和柄中心の豊富な型紙から好きなものを選び、トレーシングペーパーで転写。

遊山箱の絵付けで絵柄を描く工程

その後、アクリル絵の具で描いていきます。

遊山箱の絵付けで描いたストラップ

最後は江淵さんに取っ手を付けてもらって完成!取っ手に付けるストラップも好きな色、絵柄でおめかし。

江淵鏡台店の絵付け体験で完成した遊山箱

体験時間の目安は2〜3時間。今回は2時間弱で完成しましたが、時間が経つのはあっという間!なかには朝から夕方までじっくり取り組む人もいるとか。つくる時間そのものが贅沢な体験です。
この世に一つだけの、自分で絵付けした遊山箱におやつを詰めて、ピクニックもいいですね。

【遊山箱体験】
[料金]
5,500円(遊山箱本体・絵付け体験込み)
[体験時間]
8:00~18:00(目安2~3時間)

*前日までに要予約

徳島市・割烹「五十鈴」|本格和食ランチで阿波の旬と伝統の食文化を堪能

阿波割烹 五十鈴「味ごよみ 花かご御膳」を味わう

遊山箱の絵付けを楽しんだあとは、徳島の食文化を感じられる和食処へ。訪れたのは、1969年創業の老舗「阿波割烹 五十鈴」。

「阿波割烹 五十鈴」外観

現在は3代目女将の仁木さんと妹さんが切り盛り。朗らかなお二人の雰囲気が、店全体をあたたかく包んでいます。

阿波割烹 五十鈴 料理長の曽我部さん

料理長・曽我部さん自慢の、季節の食材をふんだんに生かした会席料理が味わえます。阿波尾鶏のしゃぶしゃぶや半田そうめんなどの郷土料理も好評ですよ。

ランチの一番人気「味ごよみ 花かご御膳」

阿波割烹 五十鈴の「味ごよみ 花かご御膳」

お昼の定番「味ごよみ 花かご御膳」(2,500円)は、五十鈴名物の釜めしに、お造り、揚げ物、小鉢4種が彩りよく並ぶ贅沢な御膳で、器の美しさも印象的。

阿波割烹 五十鈴「味ごよみ 花かご御膳」の釜めしをよそう

釜めしは鶏、エビ、ニンジン、シイタケ、ゴボウをカツオ出汁で炊き上げた逸品。創業時からの名物で、炊き立てのおこげが格別!事前予約をしておくと、来店時間に合わせて炊き上げてくれます。

徳島らしい和モダン空間

「阿波割烹 五十鈴」テーブル席

3代目に代替わりしたタイミングで移転し、新たに築いた店内は和モダンな雰囲気。

「阿波割烹 五十鈴」個室

藍染めをテーマにした個室や、大胆な花や果実のアートが描かれたテーブル席など、伝統と現代美が融合した唯一無二の空間が広がります。

阿波割烹 五十鈴の暖簾は藍染

徳島の伝統工芸である藍染めの暖簾が出迎えてくれます。

「阿波割烹 五十鈴」カウンター席

カウンター席は、釜めしが炊き上がる様子を眺められる特等席。

阿波割烹 五十鈴 カウンターの上に並ぶ、炊飯中の釜めし

ほんのり立ち上る湯気と出汁の香りが食欲をそそります。

阿波割烹 五十鈴

マップでみる

徳島の和菓子店「菓游 茜庵」|美しい遊山箱詰め合わせ

「遊山箱のお詰め合わせ」を開く

旅の締めに訪れたのは、徳島城跡のそばにある「菓游 茜庵」。
「日本の伝統と徳島の美しいものをお菓子に」をコンセプトに、四季を感じるこだわりの和菓子を創作しています。

「菓游 茜庵」の店内

地元産の果実を使った錦玉菓子「ゆうたま」、徳島の伝統菓子「阿波ういろ」、まるで赤ちゃんのほっぺのように柔らかなお餅で翡翠色の柚子あんを挟んだ「淡柚(あわゆう)」など、一つひとつに繊細な職人技と、素材を慈しむ心を感じます。

別の取材で発覚した事実なのですが…
なんと、「淡柚」は元チャットモンチー・福岡晃子さん(accobin)の推しお菓子!これには取材したよんでん編集部もびっくり!やはり、徳島を代表するお菓子なんですね♪

元チャットモンチー・福岡晃子さんのインタビューの様子はコチラ!
元チャットモンチー・ベーシストが改めて触れた地元徳島の魅力 ──「OLUYO」オーナー・福岡晃子さん(accobin)

淡柚を持つ元チャットモンチー福岡晃子さん
菓游 茜庵の「淡柚」を持つ元チャットモンチー・福岡晃子さん(accobin):インタビュー記事より】

藍と茜。日本の美を感じる2種類の遊山箱

「遊山箱のお詰め合わせ」の藍と茜

そんな茜庵では、伝統の遊山箱を現代風にアレンジしたギフトボックス「遊山箱のお詰め合わせ」がおすすめ。
三段重ねのかわいらしい小箱に、茜庵自慢のお菓子がぎゅっと詰まっています。

遊山箱は「藍」と「茜」の2種類。藍は、徳島の伝統工芸である藍染めのような美しい藍色と、徳島の海と空をイメージした青色のグラデーション。茜は、夕焼けのような茜色をベースに、日本の伝統色を合わせています。
お菓子を楽しんだあとは、小物入れとして重宝しそうです。

「菓游 茜庵」の店内

中の詰め合わせも「銘菓いろいろ」(6,588円)と、「お日保ち長め」(6,804円)があるので、用途に応じて選ぶことができるのもありがたいですね。

数寄屋造りの建物で、和の美しさをじっくり味わう

「菓游 茜庵」の外観

お店は、お茶のこころを感じる数寄屋造りの建物。一歩足を踏み入れると、街の喧騒がふっと遠ざかり、まるでお殿様の時代にタイムスリップしたような感覚に。

菓游 茜庵  季節の呈茶コース 上生菓子お抹茶付

店内の茶席では、季節の上生菓子とお抹茶のセット(1,320円)などがいただけます。

菓游 茜庵の庭園でお抹茶をいただく

手入れの行き届いた日本庭園を眺め、つくばいの水音、風の気配を感じながらいただく和菓子は格別です。

まとめ|徳島の和文化旅で伝統工芸「遊山箱」と阿波グルメを満喫

「遊山箱のお詰め合わせ」は専用の包装をして持ち帰ることができる

遊山箱の絵付け体験で徳島の伝統に触れ、徳島の季節を味わい、和菓子とともに穏やかな時間を過ごす。徳島の文化・技・味わい・おもてなしをフルコースで堪能する旅になりました。次の休日には、「遊山」という名の大人の遠足へ出かけてみませんか?

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*2026年1月29日時点の情報です。内容は変更となる場合がありますので、最新情報をご確認ください。

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