
STORY
高知の山奥で味わう本格インドカレーランチ「永渕食堂シャンティ」

仕事ではパソコンと向き合い、休憩中や休日はスマホのSNSを見て過ごす…便利なのはいいけれど、気が付けば常にデジタル機器を触って誰かの「いいね」に左右される毎日に、ちょっと疲れを感じていませんか?
そんなデジタル漬けのあなたにぜひ行ってみてほしい隠れ家ランチスポット、それが「永渕食堂Shanti(シャンティ)」です。高知の山あい、聞こえるのは木々のざわめきや川のせせらぎ、鳥の声。大きな自然の姿は、パソコンやスマホの小さな画面で見ただけでは感じきれない心地よさ。
さあ、スマホをカバンの中にしまったら、改装した古民家でインド人オーナーが本場のインドカレーを振る舞う「永渕食堂シャンティ」に向けて、自然いっぱいの旅のスタートです!
目次
高知県大豊町の隠れ家ランチ!「永渕食堂シャンティ」へのアクセスと目印

高知県大豊町で特別な隠れ家ランチをいただける「永渕食堂シャンティ」があるのは、見渡す限り山が連なるのどかな山奥。高知県と徳島県を流れ、「四国三郎」と呼ばれる大河・吉野川に沿って、山道をゆっくりと進みます。
大豊町に着いたら、看板を見落とさないように!

「永渕食堂シャンティ」は、高知自動車道「大豊IC」から約40分の距離。国道439号から県道113号へ入り、吉野川に架かる豊永大橋が見えるともうすぐ。のどかな景色にのんびりしていると、小さな看板を見落としそうになるのでご注意を。ひとまず永渕神社への入り口を示す看板を目印に進んでいきます。
〈目印になるもの〉
- 豊永大橋
- 永渕神社
- 看板

永渕神社の看板の隣に、お目当てのお店の看板を発見。ナビの画面では分からないので、走行中は周囲の景色と山側のサインをよく見て進みましょう。この看板を見つけたら、第1段階クリアです!

永渕神社を目指し、細い山道を進んでいきます。山道ならではのヘアピンカーブも、街にいるとできない体験。慌てずに車を走らせていきましょう。あまり広い道ではないので、コンパクトカーで向かうのをおすすめします。

途中の分岐。左手に民宿に向かう道があるので、間違わないよう右方向へ。この道で合っているのだろうか…と不安になった頃にひょっこり現れる小さな看板の、なんと頼りになることか。こちらの写真にもひっそりと看板があるのですが、お分かりですか?
ここまでくるともう少し。第2段階クリア!
由緒ある「永渕神社」を横目に、さらに山奥へ

さらに進むと、目の前に現れる巨大なご神木。こちらが国指定重要無形民俗文化財「永渕神楽」で有名な「永渕神社」です。鳥居の奥にあるお社で繰り広げられる神楽の舞は、地元の人たちの手で今もなお継承されているのだそう。

実は目的地である「永渕食堂シャンティ」にもほんの少し関係があるということですが…それはまた後ほど。さあ、もうすぐゴールです!運転お疲れさまでした。
高知の雄大な自然と四季を感じて「デジタルデトックス」

高知県大豊町。春は色とりどりの花が、夏は元気な山の緑が、秋には落ち着いた紅葉が、そして冬には穏やかに降り積もる雪と、四季を通じて姿を変える山の景色は、いつ訪れても静かに迎え入れてくれます。
「永渕食堂シャンティ」を営むのはインド出身のビノさん。大豊町の山の景色が、ご自身が住んでいたインド北部の山の姿とそっくりで驚いたそうです。高い山が連なり、山の谷側ではなく上へ上へと集落が点在するスタイルは、四国の中でも珍しい光景で、なんだか、昔話の絵本の中にいるみたい!

こちらの画像はビノさんが撮影した4月中旬の芽吹きの様子です。
ちなみに大豊町を流れる吉野川はラフティングが盛んで、GWには日本だけでなく世界中から激流を求め観光客が訪れる場所でもあります。
ここではスマホをしまって深呼吸!山々が織り成す雄大な自然を眺めながら、おいしい空気を味わいましょう。
「永渕食堂シャンティ」の本場インド無水カレー!こだわりの絶品メニュー

「永渕食堂シャンティ」の魅力は自然だけではありません。
店内でいただけるカレーは、オーナーであるインド人のビノさん手作り!高知の山奥で本場の絶品インドカレーを味わうことができるなんて、驚きです。

〈カレーメニュー紹介〉
- ノンベジプレート
(おやどり無加水カレーとダルカレー 野菜たっぷりのワンプレート) - ベジプレート
(ダルカレーと野菜たっぷりのワンプレート) - ジビエプレート*
(シカ肉の無加水カレーとダルカレー 野菜たっぷりのワンプレート) - キッズプレート
(ミニダルカレー)
*週末限定
ワンプレートに盛られた具材それぞれにしっかりとスパイスが効いたメニューです。カレーのほか、サラダや揚げ物などバラエティ豊かな副菜とともに召し上がれ!
幅広い人に食べてもらえるよう辛さは控えめですが、お好きな人にはしっかり辛さを楽しんでもらえる工夫も。辛いのが欲しいときは、ぜひビノさんたちに声をかけてください!ものすごい辛さが出てきますよ!

カレーはたくさんの玉ねぎとトマトなどの水分だけで仕込んだ無加水カレーで、素材の味がぎゅっと濃縮された、濃く深い味わいです。
糖度の高いアイコトマトの産地としても有名な大豊町。時季ごとに質の良いトマトが近場でたくさん手に入ることも、おいしいカレーを作る上では大事なんだとか。鶏肉はスーパーマーケットではなく、知り合いのおばあちゃんに捌いてもらった、自然で新鮮なものを使っています。近隣ではジビエに対する取り組みも盛んで、大豊の大地を走った鹿がジビエの工房から入荷されると連絡がくるといいます。
スパイスは本場インドと同じ!チャイも絶品

スパイスはインドで使っていたものと同じものを使っていて、ビノさんのカレーに欠かせないスパイスは、日本でなかなか手に入らないものも少なくありません。インドに行くときは買って帰るほど、スパイスへのこだわりは本場ならでは。そしてスパイスを砕くツールまでも、インドから持ってきたものです。

食後はぜひチャイをどうぞ。先ほどのツールで荒々しく砕いたスパイスで煮出すチャイは、さらりとした飲み口と甘さで、体の芯からほっとします。インドでは一日5杯はチャイを飲むとのことで、日常には欠かせない飲み物となっているそう。
古民家の倉庫をオーナーご夫妻自らがリノベーション

もともとは古民家の倉庫だった場所を、解体の仕事経験のあるビノさんが一つひとつ手を入れて造ったというお店。窓枠や扉も、古いものを生かして大切に使っていて、やさしいぬくもりを感じます。
中央にあるメインのテーブルはビノさんがここで初めて仕上げた記念の品。ちょっと傾いているところもいい味だねとお客さんに褒められるのだとか。

「ゆっくりと時間を過ごしてもらいたい」という気持ちで配置されたテーブルや椅子。他のお客さんの視線も気にならない配置になっていて、一人でふらりと来ても寂しくありません。
階段の上を「ゆくゆくは図書館のようにゆっくりと本を読める場所にしたい」と笑う、ビノさんご夫婦。ますますデジタルとは縁遠いお話ですが、こういう時間の豊かさをずっと忘れていたことに気付かされます。
なぜ高知の山奥に?オーナーご夫妻の移住ストーリー

ビノさんご夫婦が埼玉から高知県大豊町に移り住んだ決め手は、やはりこの自然のままの景色でした。
インドで知り合い結婚し、日本に移ってからというもの、便利だけれど人との距離が近過ぎる暮らしに疲れてしまったお二人。全国を旅しながら移住先を探していたところ、移住フェアで紹介してもらった高知県大豊町を一目で気に入り、この場所で大きな山とともに生きたい!と即決したのが始まりでした。

田舎暮らしは思った以上に忙しく、時間があれば草刈りに薪割りにとずっと動いているビノさん。のんびりする間がないのが悩みだとか(笑)。

店内のストーブだけでなく、お風呂も薪で。この斧もインドのものを使っています。使いやすくてよく切れる!薪割りも大切な日課の一つです。

大豊町で採れた野菜を使い、庭に咲くハーブでお茶を淹れる。ずっと受け継がれる永渕神楽にも魅力を感じ、永渕神社に守られて暮らす。それもあって、この場所なんですね!
誰かに合わせて変えることではなく、自分たちの好きなもの、食べておいしいものを作って生きることを大切に。
デジタルデトックスしたい!と思って来てみた「永渕食堂シャンティ」。そんなテーマすらも「そんな誰かに合わせなくてもいいか!」なんて開き直れてしまうほど、自然の中、時間を忘れて過ごすことができました。
まとめ|高知の山奥・癒やしの古民家「永渕食堂シャンティ」で絶品インドカレーランチ

おいしい手作りインドカレー、おいしいチャイがあれば、何時間でもここに居たくなる。
それもそのはず。お店の名前「Shanti」は、サンスクリット語で「平和・平穏」を表す言葉。お店を選んだ時点から、この心地よさは始まっていたのかもしれません。ここではスマホをしまって、絶品の本場インドカレーをいただきましょう。ゆっくりくつろぐランチタイムを静かな山奥の古民家で過ごしてリフレッシュしたいですね。