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『ウラツダ』をディグる!津田の松原だけじゃないさぬき市の話題エリア散策

香川県さぬき市津田といえば、松林と砂浜のコントラストが見事な「津田の松原(県立琴林(きんりん)公園)」…だけじゃないんです!
実は、津田ふるさと海岸から周辺の路地裏一帯にかけては新店が続々と誕生しており、地元でも人気のお出かけエリアになっています。その名も『ウラツダ』。
過疎化と高齢化が進み、ちょっぴり寂しくなっていた地域が盛り上がっている理由とは?よんでん編集部がディグります!おすすめスポット&コース情報もお見逃しなく。
目次
さぬき市津田ってどんなところ?若者たちが集まる理由(わけ)

さぬき市津田は、香川県の東部にある海に面したまち。このまちの代表的な観光スポットが、「津田の松原(県立琴林公園)」です。海の青、砂浜の白、松林の緑とコントラストが美しく、「日本の渚100選」にも選ばれるほど。歴史は江戸時代初期までさかのぼるんだとか!
ちなみに、津田の松原については他の記事でもご紹介しているので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
さてさて、そんな風情ある瀬戸内の港町に個性豊かでディープなお店が急増したきっかけとは…ずばり、「地域おこし協力隊」!穏やかで暮らしやすい津田の雰囲気に惚れ込み、地域づくりの担い手として移住した人たちが、「もっと来てもらえる町に」と空き家などをリノベーションした店舗・施設を展開。どんどんと人を呼び込んでいるのだとか。
ノスタルジックだけど新しく、観光名所や定番のお出かけスポットとはどこか違う。そんな独特な『ウラツダ』の雰囲気が、若者たちの心をくすぐっているんです。
『ウラツダ』を盛り上げるスポットとおすすめコース
まち歩きの前に、まずは「ウラツダマップ」を見てみましょう!地域おこし協力隊の折口さんが作成した、ウラツダまち歩きにオススメのアイテム。ふんわりとかわいらしいタッチのイラストに心掴まれます。

折口さんは、地域おこし協力隊として「ピザ屋店長候補」の募集に応募したことがきっかけで大阪から移住。現在は石窯ピザのお店「PORTO PIZZA(ポルトピッツァ)」の店長をしていて、ウラツダを盛り上げる仕掛け人でもあるんです。
ウラツダには「PORTO PIZZA」の他にも、朝ごはんと雑貨のお店「暮らし商店ごんべや」、泊まれる図書館「うみの図書館」、バリの家具や雑貨を扱う「アジアンファクトリー」など、魅力あふれるお店がたくさん。それぞれのお店はオーナーの好きなものやこだわりが詰まったディープ仕様。アーティスト集団のような、ウラツダにしかない空気感が漂っています。
今回は、この4店と琴林公園の中にある開運スポットを巡るさぬき市津田を楽しむコースをご紹介します。気になったお店に寄り道しつつ、気ままにまったり過ごすのがウラツダ時間を楽しむコツ!
電車で『ウラツダ』に行く場合のおすすめコース
高松方面から電車で行く場合は、以下のコースがおすすめ。
10:31 JR高徳線「讃岐津田駅」下車(徳島方面からだと9:56着の電車となります)
↓徒歩約6分
10:40 「暮らし商店ごんべや」
↓徒歩約6分
12:00 「アジアンファクトリー」
↓徒歩約4分
13:00 「うみの図書館」
↓徒歩約15分
14:15 「願い橋・叶え橋」
↓徒歩すぐ
14:30 「津田の松原(県立琴林公園)」
↓徒歩約6分
15:15 「PORTO PIZZA」
↓徒歩約6分
16:10 JR高徳線「讃岐津田駅」着
*本記事に記載している電車の運行ダイヤは、2025年5月1日現在の情報です。
*土・日曜日、祝日に訪れる想定のコースとなっています。実際に訪れる際には、各スポットの公式WebサイトやSNSで、営業時間などの詳細をご確認ください。
車で『ウラツダ』に行く場合のおすすめコース
車で行く場合は、以下のコースがおすすめ。
ウラツダ駐車場は、高松方面からだと国道11号で津田川を越えてすぐを左折した津田港そばにある、「ねこ海レストラン」の向かいにあります。また、津田の松原に近い臨時駐車場もあるので、そちらに止めてもいいかも。
10:00 「ウラツダ駐車場」に駐車
↓徒歩約2分
10:05 「アジアンファクトリー」
↓徒歩約8分
11:15 「暮らし商店ごんべや」
↓徒歩約15分
12:45 「願い橋・叶え橋」
↓徒歩すぐ
13:00 「津田の松原(県立琴林公園)」
↓徒歩約6分
14:00 「PORTO PIZZA」
↓徒歩約10分
15:00 「うみの図書館」
↓徒歩5分
16:05 「ウラツダ駐車場」
アジアンファクトリーと駐車場は近いので、たくさんお買い物しても安心!一度荷物を置いてからまち歩きに繰り出しましょう♪
*こちらも土・日曜日、祝日に訪れる想定のコースとなっています。実際に訪れる際には、各スポットの公式WebサイトやSNSで、営業時間などの詳細をご確認ください。
理想の朝ごはんはここにあった…!「暮らし商店ごんべや」で喫茶と古道具を愛でる

「暮らし商店ごんべや」は、山畠さんご夫婦が切り盛りする古道具と喫茶のお店。休日のお昼どきには、お客さんでいっぱいになる人気店です。

オーナーの柊希さんは、大量生産・大量消費の時代にまだ使えるモノが捨てられている現状を何とかしたいと考え、古道具の良さや温もりを伝えるお店を開きたかったそう。妻の瞳さんは、喫茶店で働いた経験から、自分のお店でもご飯やドリンクを提供したいと考えていました。そんなご夫婦2人の想いが詰まったお店なんです。
大阪出身の柊希さんは香川を訪れた際、瀬戸内の穏やかな気候風土に惹かれ、夫婦で高松市に移住。お店を開く場所を探しているところ、津田にたどり着きました。地域おこし協力隊への募集で訪れた時に、地元の人の温かさや応援を受けたことが移住の決め手となったのだそうです。

土・日曜日、祝日は朝7時から楽しめるモーニングがおすすめ。和食とトーストから選べるので、朝はごはん派?パン派?みたいな論争も平和に解決できちゃうんですよ~!

和食メニューは、自家製ベーコンエッグの朝ごはん定食や季節によって変わる地元の魚を使った定食があり、ごはん派にはたまりませんね。
トーストメニューの山型食パンは、高松市内のオーガニックストアでも売っているこだわりが詰まった食パンを使用。小麦の香りや食感が楽しめるパンに天然はちみつがたっぷりかかったはちみつバタートーストは朝から幸せになりそう。単品のトーストメニューは5種類あり、目玉焼きや自家製ベーコンなどをトッピングできますよ!
どっちも理想的な朝ごはん過ぎる…!土・日曜日、祝日は早起きして食べに行っちゃいましょう。

ランチタイムやカフェタイムに立ち寄るのもおすすめです。写真のしょうが焼きをはじめとする定食や、おいしいデザートなどがいただけます。自家製ジンジャーエールはちょっぴり辛口でぴりぴりとした感覚がやみつきに…。長く愛される古道具たちに囲まれながら「暮らし商店ごんべや」でのんびり過ごしましょう。
暮らし商店ごんべや
- 香川県さぬき市津田町津田1182
- 080-3841-6505
- なし
- https://www.instagram.com/kagawa_gonbeya/
異国情緒たっぷりの「アジアンファクトリー」でバリ島にトリップ気分

「アジアンファクトリー」は、色とりどりの扉が取り付けられた壁が目印の雑貨店。オーナーの大眉鉄平さんは津田町出身です!
チーク無垢材の家具を中心にインドネシアのバリから買い付けたインテリア商材を販売し、たまにアンティーク品や珍品も入荷するそう。オーナーこだわりの直輸入の一点物家具がお手頃価格で手に入るのもうれしいポイント。

見てください…!お店に一足踏み入れると、所狭しと家具やアジアン雑貨が並んでお出迎え。アジアンテイストの置物がかわいくて時間を忘れて気分は宝探し!
鉄平さんはバリ舞踊家であり、妻の友美さんとともに「サヌキサリ」というバリ舞踊グループで活動しています。バリの魅力の虜になった大眉さんご夫婦は、まさに“踊れる雑貨屋”。

アジアンファクトリーでは、自分だけのこだわりの家具を注文できます。インドネシアの職人さんが貴重なチーク材を使って作ってくれるので完成まで3〜4カ月ほどかかります。その分、届いた時の感動は言葉にできないかも…!

並べ方にもこだわりを感じます。ずらっと並んでいるとその中からつい“うちの子”を選びたくなりますね!色だけではなく、表情も微妙に異なるのでじっくり眺めてくださいね。
また、定期的にいろいろなイベントも開催しているのでお店のSNSも要チェック!アジアンファクトリーでバリの魅力を堪能しましょう。
不定休かつ配達のため不在にしている場合もあるそうですので、訪れる際は事前にお問い合わせを。
アジアンファクトリー
泊まれる図書館「うみの図書館」でたゆたうように過ごす

「うみの図書館」は、砂浜から徒歩30秒の古民家を改修した複合施設。遠洋漁業の船主さんの自宅兼事務所から、カフェと宿泊施設が一体になった斬新な図書館へ生まれ変わりました。
地元出身の黒川さんが、町になかった図書館を作りたいと考えたのがきっかけだそう。そして、津田の魅力に惹かれた群馬県出身の鏑木さんが移住し、館長に就任。ウラツダを支える最強タッグが誕生しました。
オープンまでのストーリーやお二人の想いは、四国電力広報誌「ライト&ライフ」にてご紹介しています。ぜひこちらもご覧くださいね。
https://www.yonden.co.jp/cnt_landl/2404/jumping_furusato.html

「こころがととのう 海辺の図書館」をコンセプトに、「海にまつわる本」と「漂流してきた本(漂流文庫)」の2種類が置かれています。「海にまつわる本」はその名の通り、海辺が舞台の小説や絵本など海に関する書籍。「漂流してきた本」は、地域外から寄贈されて津田町に“流れ着いてきた本”のことです。
本の貸出期間はなんと最長2年間!「本と人が自然と流れ着き、流れていく場所として存在する」という考え方で、この緩やかなルールがうみの図書館流です。

館内のカフェで好みの飲み物をオーダーして、のんびりと読書を楽しめる贅沢な時間と空間が最大の魅力。コーヒー・紅茶・オレンジジュースなどが本のお供になってくれますよ。
また、不定期のイベント時には手作りドーナツなどスイーツをいただくことができるとの情報を入手!これはイベントを狙ってまた来なくては…。
ちなみに現在、スイーツを常時提供するために鋭意検討中とのこと。待ち遠しいですね!

図書館を飛び出して、瀬戸内の穏やかで美しい海を眺めながらの読書も可能です。海辺で読書ってなんだか素敵。波の音が心地よくて、いつもより言葉がじわりと染み渡ります。
宿泊については、ロフト付き1人用のお部屋、友人同士で泊まれる2人用(2段ベッド設置)のお部屋、カップルや家族向けの最大4人用(ダブルベッドと2段ベッドを設置)のお部屋をそれぞれ1部屋ずつ完備。1棟貸もできるので、気の置けない仲間や家族と貸し切りにするのもいいですね!
予約は余裕を持って早めがおすすめ。美しい自然や海の本に囲まれてまったり過ごせば、心が癒やされ整うことでしょう。「よ~し、明日からも頑張るぞ!」と前向きになれるはず。
うみの図書館
- 香川県さぬき市津田町津田1418
- あり(宿泊者のみ利用可)
- https://umitosho.snack.chillnn.com/
- https://www.instagram.com/umi_tosho/
- https://x.com/umi_tosho
「願い橋・叶え橋」など琴林公園は開運スポット満載

せっかく津田に来たなら名所・津田の松原(県立琴林公園)も忘れずに立ち寄って!
樹齢600年を超える老松や、松の根が地面に露出した「根上がり松」は一見の価値あり!植物の生命力をダイレクトに感じられます。交差しながら伸びる根はまるで足のようで今にも動き出しそう。

津田の松原には、「願い橋・叶え橋」「見逢い橋・出逢い橋」「七福神松」「縁結びの松」などの縁起の良いスポットがたくさんあります。その中でも、今回は即効性が期待できる!?「願い橋・叶え橋」をご紹介します。

琴林公園にある梅川にかかる赤い欄干の橋が「願い橋・叶え橋」です。願い橋は国道側から海側へ渡る橋で、叶え橋は海側から国道側に渡る橋。願い事を念じながら海に向かって渡り、戻ってくると願いが成就するといわれています。

琴林公園は入園無料ということもあり、まさにコスパ抜群の開運スポット!散歩がてら気軽に立ち寄ってみてくださいね。
願い橋・叶え橋
- 香川県さぬき市津田町津田(琴林公園内)
- 087-894-1114(さぬき市商工観光課)
- あり
- https://www.city.sanuki.kagawa.jp/sightseeing/sights/tsuda
津田復活の起点!石窯ピザのお店「PORTO PIZZA」

津田を盛り上げるための拠点として開業した「PORTO PIZZA」は、ウラツダマップの制作者でもある折口さんが切り盛りする人気の石窯ピザのお店。

漁業倉庫を改修した店内は、ガラスの浮き球が港町を彷彿とさせるいいアクセントに。どこか地中海っぽい雰囲気も感じられます。お店の奥に見える青いタイルの石窯でピザを焼いてくれますよ。

石窯ならではの、外はカリッ中はもっちりふんわり食感のピザは最高!トマトベースのピザは3種類、チーズベースのピザは4種類あるので、好みのピザを選んでくださいね。
お店でゆったりいただくのも良いのですが、テイクアウトして海岸でピクニックランチも気分爽快でたまりません♪

「PORTO」はイタリア語で「港」の意。「PORTO PIZZA」という名前には、遠洋漁業で栄えた津田町の港で新たな挑戦を応援する場所、多くの人の交流拠点になる飲食店でありたいという想いが込められているそう。
「これからも地域に根差して長く続くピザ屋さんとなり、まちのお肉屋さんや魚屋さんのようにまちのピザ屋さんになることが夢」という折口さん。空き家を活用した複合施設「PORTO BUILDING」の開業も予定しているそうです。これからも目が離せませんね!
PORTO PIZZA
- 香川県さぬき市津田町津田1325
- 0879-49-3371
- あり
- https://www.instagram.com/portopizza_tsuda
若者が頑張っている熱い津田を楽しもう!

今回は、香川県さぬき市津田にある魅力あふれるお店と、風光明媚な津田の松原(県立琴林公園)にある開運スポットをご紹介しました。オーナーさんの「好き」をとことん突き詰めたお店ばかりで、ここにしかないディープな出会いがあるかも♪新しいお店や施設も続々オープン予定なので、何度でも訪れたくなるエリアになりそうです!
取材をしていて驚いたのは、お店の人たちからもらったメッセージが不思議なくらい一致していること!「津田のきれいな海で癒やされてほしい」「個性豊かなお店が集まっているので、ゆっくり巡って楽しんで!」など、津田に惚れ込んだ人たちが自然と集まって今のウラツダがあるんだなと実感しました。
ウラツダ周辺には、まだまだご紹介し切れないほど魅力的なお店があります。波音を聞きながら、のんびりとした津田時間を楽しんでくださいね。きっとあなたもウラツダの虜になること間違いなし!