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四国三大祭りだけじゃない!この夏訪れたい四国のユニークなお祭り

四国の祭りといえば、「四国三大祭り」と称される、よさこい祭り(高知県)、阿波おどり(徳島県)、新居浜太鼓祭り(愛媛県)が有名ですが…
今回は、「四国三大祭りは、もう制覇した!」「観るだけじゃなく、自分も体験できるお祭りに出会いたい」そんな旅慣れた方におすすめしたい、ディープで地域らしさあふれる四国の夏祭りをピックアップしてみました。
轟く太鼓の音、熱気のこもった踊り、揺らめくロウソクの炎。食欲をそそる屋台の香り、そして夜空を彩る大輪の花火…。夏祭りってどうしてこんなに心躍るんでしょうか?
目次
徳島・美波町|「日和佐うみがめまつり」やさしい波音とウミガメの“巣立ち”の瞬間

徳島県美波町はその名の通り、豊かな自然を有する海沿いの町で、波寄せる美しい砂浜はアカウミガメが産卵に訪れるほど。2009年に放送されたNHKの連続テレビ小説「ウェルかめ」の舞台にも抜擢されたことで知られています。
そんなウミガメの町・日和佐で毎年7月(海の日の前々日)に行われるのが「日和佐うみがめまつり」です。

最大の見どころは、「うみがめ感謝祭」。ウミガメが大浜海岸へ安全に上陸・産卵することを願い、子ガメを放流するイベントです。うみがめ神輿が登場し、美波町の観光大使である浦島大使・乙姫大使も参加して神事が行われます。
そして、神事の後はウミガメの放流。広い海へと旅立っていくウミガメたちをみんなで見守ります。またいつか美波町へ戻ってくるようにと祈る人々の姿は、ウミガメとの絆を感じられて感動的。普段はなかなか見ることのできない、日和佐うみがめまつりならではの貴重で神秘的な光景です。
動物好きな人はもちろん、自由研究のテーマにも良さそうです。お祭りを楽しみながらも、海の生き物や、自然について考えるきっかけになりますね。

盛り上がるのは、大浜海岸だけではありません。
町内に複数設置されたステージでは、「うみがめフェスティバル」と題して、演奏や踊りが披露されます。
阿波おどりなど、徳島らしい演目も見られるのでおすすめですよ。
屋台グルメも充実していてなど、夏祭りらしい雰囲気もばっちり味わえます。

そして、お祭りのフィナーレは納涼花火大会!日和佐の夜空を花火が鮮やかに彩ります。海へ旅に出ていったウミガメたちも、きっとこの花火を見てくれていることでしょう。
【2025年の開催情報】
[開催日]
2025年7月12日(土)
[会場までのアクセス]
JR牟岐線 日和佐駅から徒歩約20分
徳島市中心部から国道55号経由 車で約75分
*本記事の情報は2025年6月19日現在のものです。実際に訪れる際は最新情報をご確認ください。
美波町・日和佐エリアを訪れるなら町歩きも。こちらの記事にてご紹介していますので、ぜひチェックしてみて!
日和佐うみがめまつり
- 徳島県美波町 大浜海岸周辺
- 0884-77-3617(美波町役場産業振興課)
- あり
高知・香南市|「土佐赤岡絵金祭り」幕末の芝居絵が並ぶ、屋外ナイトミュージアム

ジリジリとした暑さを吹き飛ばす、真夏の夜のアート体験を知っていますか?
高知県香南市赤岡町で毎年開催される「土佐赤岡絵金祭り」は、夏の夜にしか味わえない特別なアートイベント。毎年7月の第3土曜日と日曜日の2日間だけ開催されます。

主役は、幕末に活躍した絵師・絵金(えきん)こと弘瀬金蔵の芝居絵屏風。土佐藩家老の御用絵師だった絵金は、贋作(がんさく)騒動に巻き込まれ城下を追放されたと言われています。その後、絵金は赤岡で“町絵師”となりとんでもなく濃い芝居絵を世に残しています。
地元では親しみを込めて“絵金さん”と呼ばれており、作品は普段赤岡町にある展示施設「絵金蔵」で公開されています。
でも、このお祭りの日だけは特別。なんと、絵金が描いた芝居絵屏風が屋外に登場!町全体が大きなナイトミュージアムに変身します。

町内の民家の軒先に絵金の屏風23点がずらり。ロウソクで照らし出された屏風を、町歩きしながら鑑賞するスタイルです。
まるで絵金が生きた幕末にタイムスリップしたかのような感覚になります。揺らめく炎は、登場人物たちの心情まで生き生きと見せてくれ、息遣いまで聞こえてきそう。

展示時間は、19時から21時の2時間。日が落ちると闇の中にぼうっと浮かびあがる絵金の作品は、おどろおどろしくも心奪われる美しさ…!

“血赤(ちあか)”といわれる絵金の赤は、邪気を家の中に入れないための魔除けの色であり、鮮烈なインパクトと緊迫感を絵に与えるキーカラー。ドラマチックに生々しく描かれた作品の数々は、現代を生きる私たちにも鬼気迫るものを感じさせますね。
各屏風絵には地域の有志や学生のボランティアが付いています。作品を守り、絵金文化を伝えていく活動をするボランティアの中には作品の説明ができる方も。「歴史やアートに詳しくなくても楽しめるかな?」と心配されている方はぜひ案内に耳を傾けてみて!屏風絵がどのようなシーンを切り取ったものなのか、臨場感たっぷりにお話してくれますよ。作品の背景まで楽しめる、ワンランク上の鑑賞体験になります。

その他にも、この日は町全体が絵金一色。絵金の作品を収蔵している絵金蔵も、特別に夜間開館。ナイトクイズラリーも行われます。
また、近くの弁天座では「土佐絵金歌舞伎」が上演されるなど、まさに絵金尽くしです。ビアガーデンやステージイベントといった夏祭りらしい雰囲気も味わうことができますよ。
うだるような暑さも忘れ、絵金の作品に酔いしれる、ディープな土佐の夏の夜がここにはあります。
【2025年の開催情報】
[開催日]
2025年7月19日(土)・20日(日)
18時~21時(屏風絵展示は19時~)
[会場までのアクセス]
土佐くろしお鉄道 ごめん・なはり線 あかおか駅から徒歩約5分
高知東部自動車道 南国ICから車*で約20分
*駐車場は混雑が予想されます。なるべく公共交通機関をご利用ください。
*本記事の情報は2025年6月19日現在のものです。実際に訪れる際は最新情報をご確認ください。
絵金の生涯や作品の魅力をもっと知りたい方は、四国電力広報誌「ライト&ライフ」の記事をチェックしてみてくださいね。https://www.yonden.co.jp/cnt_landl/1907/special.html
土佐赤岡絵金祭り
- 高知県香南市赤岡町 本町・横町商店街
- 0887-54-3014(香南市商工会)
- あり
- https://ekinmatsuri.com/
香川・観音寺市|「かんおんじ銭形まつり」花火におどり、グルメも!砂絵の町の風物詩

「かんおんじ銭形まつり」は、毎年7月(第2週目ないしは第3週目の土曜日と日曜日)に開催される、観音寺の夏の風物詩。海辺の町ならではの開放感の中、市内のさまざまな場所でイベントが開かれ、にぎわいを見せる2日間です。

「銭よさ」の愛称で親しまれている「銭形よさこい」は、観ているだけでも元気になれます。鳴子の音とそろった振り付けは迫力満点。約60連の踊り子たちによるパワフルなパフォーマンスと、風に舞う色鮮やかな衣装は写真映えもばっちりです。

「ZENIGATA SUMMER FOOD FES」では、屋台グルメが大集結。かき氷など夏の定番グルメから、ご当地グルメまで豊富なラインナップは、何を食べようか迷ってしまうほど。演目の合間に食べられる手軽さもいいですね♪

「銭形まつり学生音楽祭」で披露されるのは、地域の小中高生による合唱や、ブラスバンドの演奏。澄んだ歌声と楽器の音色に心洗われるひとときです。
一方「ゼニガタライブ」では、ゲストバンドと地元高校生バンドによる本格的なライブパフォーマンスが楽しめます。ロックでアツい雰囲気を求める人におすすめです!

「なんだか私も踊りたくなってきた!」そんな人には、ぜひ「銭形おどり」を。盆踊り形式で輪になって踊るので、初めてでも大丈夫。来場者は誰でも参加できるので、輪に加わってみてくださいね!
2025年のフィナーレは、約300機のドローンによるイルミネーションショーを予定しています!昨年までの花火とはまた異なる新たな挑戦なのだそう、楽しみですね!
【2025年の開催情報】
[開催日]
2025年7月19日(土)・20日(日)
[会場までのアクセス]
JR予讃線 観音寺駅から徒歩約30分
高松自動車道 大野原ICから車で約15分
*本記事の情報は2025年6月19日現在のものです。実際に訪れる際は最新情報をご確認ください。

銭形まつりの名前の由来となった「銭形砂絵」は、高台から見下ろすと願いが叶うといわれる、観音寺を代表するパワースポット。女子旅やカップル旅行にもぴったりの場所です。
銭形砂絵を見に行くなら、こちらの記事をチェック!展望台や美しく見える時間帯などの情報の他、金運がさらに上がる!?周辺のおすすめスポット情報もありますよ♪
観音寺を訪れるならサイクリングもおすすめ。こちらの記事にてご紹介していますので、ぜひチェックしてみて!
かんおんじ銭形まつり
- 香川県観音寺市 ハイスタッフホール周辺
- 0875-25-3073(観音寺商工会議所)
- あり(イベント用駐車場には限りがあります。公共交通機関でご来場ください)
- http://www.kan-cci.or.jp/zenigata/
- https://www.instagram.com/zenigata_matsuri/
愛媛・宇和島市|「うわじま牛鬼まつり」市内を練り歩く巨大な“牛鬼”に圧倒される!

「うわじま牛鬼まつり」とは、愛媛県宇和島市で毎年7月22日~24日に開催される、迫力満点の伝統行事です。
祭りの主役は「牛鬼(うしおに)」と呼ばれる山車。全長5〜6m、鬼の顔をかたどった巨大な頭に、シュロの皮や赤い布を巻いた胴体、剣のような尻尾が付いた姿が特徴です。

太鼓や笛の音、威勢の良い掛け声に合わせ、地元の人々が巨大な牛鬼を担いで市内を練り歩く姿は圧巻。まるで生きているかのような雄々しさで、時に子どもが泣き出すほど!
一見怖そうな牛鬼ですが、悪霊を祓う魔除けとして、宇和島では古くから大切にされてきた存在。子どもたちによる「子ども牛鬼パレード」もあり、世代を超えて親しまれているんですよ。
また、お祭りの日以外も店先に牛鬼の面が飾られていたり、マンホールのデザインになっていたり…宇和島の至る所で牛鬼に出会うことができます。

このお祭りの見どころは「牛鬼」だけじゃない!楽しい催しがたくさんあるんです。
「うわじまガイヤカーニバル」は、カラフルなコスチュームをまとった参加者が、オリジナル楽曲に合わせ、宇和島生まれの踊り「うわじまガイヤ」を披露するイベント。ガイヤカーニバルの最後に出てくるのが「当日連」。この連では、すでに踊り終えた団体や観客が入り混じって踊ります。
「ガイヤ」とは、南予地方の方言で「すごい」「派手な」という意味です。その言葉通り、力強くてエネルギッシュなリズムと動きに、思わず体が動き出してしまいそう!

伝統的な民謡「宇和島おんど」に合わせて踊る「宇和島おどり大会」もあります。情熱的でリズミカルなうわじまガイヤに比べ、ゆったりとした曲調と振り付けで夕涼みにぴったり。
このように、さまざまな演目が目白押しの3日間。プログラムを事前にチェックしておくのがおすすめです!

また、港では花火大会が行われ、夜空を彩る大輪の花が祭りをさらに華やかに盛り上げます。
伝統と熱気、そして地元の誇りが詰まった「うわじま牛鬼まつり」は、見るだけで心が躍る宇和島ならではの夏の一大イベントです。

せっかく牛鬼を見にやってきたなら…ミニ牛鬼をお土産にしませんか?
手のひらサイズで、お顔まで可愛くなっちゃいました!お家の玄関や職場のデスクに飾れば、日常生活の中でも牛鬼が魔除けになってくれるはずです。

宇和島名産即売所や、観光情報センター、道の駅などで買うことができますよ♪
【2025年の開催情報】
[開催日]
2025年7月22日(火)~24日(木)
[会場までのアクセス]
JR予土線 宇和島駅から徒歩約10分
松山自動車道 宇和島朝日ICから車で約5分
*本記事の情報は2025年6月19日現在のものです。実際に訪れる際は最新情報をご確認ください。
せっかく宇和島を訪れるなら、古民家を改装したおしゃれなカフェでランチはいかが?こちらの記事にて人気の古民家カフェ「nicco」をご紹介していますので、ぜひチェックしてみて!
うわじま牛鬼まつり
- 愛媛県宇和島市 中心市街地一帯
- 0895-22-5555(宇和島商工会議所)
- あり
- https://ushioni.gaina.ne.jp/
- https://x.com/ushioni_matsuri
- https://www.facebook.com/uwajimaushioni/
まとめ|この夏は四国の祭りに出かけよう!
いかがでしたか?四国の夏を盛り上げるユニークなお祭りをご紹介しました。ローカルスケールのお祭りには、四国三大祭りとはまた違った魅力があります。旅慣れた人や、いつもと違う“ハレの日”の地域を体感したい人にはぴったりです。この夏は、カメラを片手に、お祭りから見えてくる地域の魅力を堪能しませんか?