愛でたいSTORY

松山で食べるべき鍋焼きうどん!地元民に愛される人気店を徹底紹介

松山名物の鍋焼きうどん

実は四国は“うどん処”。有名な香川の讃岐うどんを筆頭に、各地に特徴のあるうどんが存在します。そして愛媛・松山のうどんといえば、アルミ製のレトロな鍋に入った熱々の「鍋焼きうどん」なのです。

香川の讃岐うどん・松山の「腰抜けうどん」

松山の鍋焼きうどんは、甘めのつゆとやわらかい麺が特徴。コシの強さが持ち味の讃岐うどんに対し、松山のうどんは“腰抜けうどん”と呼ばれているとか、いないとか。そしてなぜ土鍋ではなくアルミ鍋で提供されるのか…。

松山を代表するグルメであり、松山人が愛して止まない「鍋焼きうどん」をご紹介します。

松山城本丸広場にある城山荘の鍋焼きうどん

全国的に鍋焼きうどんといえば、土鍋で提供される冬限定のうどんです。一方、松山の鍋焼きうどんは通年食べられるメニュー。夏でも鍋焼きうどん?と愛媛県以外の方からは不思議に思われそうですが、暑い夏に熱々の鍋焼きうどんをハフハフしながら食べる姿は、松山では当たり前に見られる光景なのです。

松山の鍋焼きうどんの特徴①アルミの鍋と甘めのつゆ

そんな松山の鍋焼きうどんに共通する特徴が“アルミの鍋、甘めのつゆ、やわらかい麺”。

その原型は、戦後間もない頃にできたそうです。つゆが甘いのは、甘いものが貴重だった戦後、甘い味がごちそうだったことの名残だとか。

アルミ鍋が使われているのは、物資の乏しい時代に丈夫で長持ちするからということでアルミ鍋が使われたのでは、とのこと。

松山の鍋焼きうどんの特徴②やわらかい麺

さらに、なぜやわらかい麺なのかというと、煮込みにはやわらかい麺の方が適しているんだよとか、松山人の気質にはやわらかい麺の方が合うんだよ、とかさまざまな声がありました。

こんな議論が交わされるあたり、鍋焼きうどんが松山のソウルフードという証なんでしょうね。

老舗の有名店「ことり」の鍋焼きうどん

松山の鍋焼きうどん人気店ことりの外観

松山の鍋焼きうどんといえば、最初に挙がってくるお店の一つが「ことり」です。1949年創業の「ことり」は鍋焼きうどん専門店で、“知る人ぞ知る”ではなく、松山人ならば“知っていて当然”というほどの老舗中の老舗、超有名店。ここの鍋焼きうどんが一番、3世代で通っている、といった根強いファンがたくさんいます。

県外・海外からも「ことり」の鍋焼きうどんを求めて

松山の鍋焼きうどん人気店ことりの鍋焼きうどんといなり・店内

時代とともに「ことり」の鍋焼きうどんは広く知られるようになり、今では県内外のみならず、海外から鍋焼きうどんを目当てに訪れる人も増えているそうで、名実ともに愛媛グルメの仲間入りを果たしています。

鍋焼きうどん専門店「ことり」のオーダー・会計方法

鍋焼きうどんの専門店だけあって、メニューはシンプルに鍋焼きうどんといなり寿司の2つのみ。料金は席会計で、席に着くのと同時にオーダーして、注文した鍋焼きうどんが到着すると、引き換えに代金が回収されるというシステムです。

具材とつゆの味わいが絶妙なバランスの鍋焼きうどん

アルミの受け皿に乗ったアルミの小鍋、レンゲまでもアルミ製という、なんともレトロなたたずまい。鍋のフタを開けると、いりこの香りがふわっと立ち上ります。ほんのり甘めのつゆは優しくて染みる、スッキリとしたきれいな味わい。つゆ同様に、少し甘めに味付けされた具材の牛肉と油揚げとのバランスが絶妙なのです。

麺も単にコシがないというのではなく、煮込んでも崩れないのにやわらかい食感という特別な麺。つゆ、具材、うどん、全てが完璧に調和しているからこそ、この味なんだと感じます。

昭和レトロを感じる雰囲気に癒やされる店内

鍋焼きうどんのおいしさはもちろん、店全体に漂うこの雰囲気がなんともいえない風情があります。作りものではないリアルな昭和レトロ感満載で、そこにいるだけでほっこり癒やされるのです。

「ことり」に限らず、松山のうどん屋さんでは必ずといっていいほど置いているのが、鍋焼きうどん同様にほんのり甘く味付けされたお揚げと、さっぱりした酢飯が特徴のいなり寿司。

「ことり」のいなり寿司は一つの大きさが女性の握りこぶしくらいあって、しっかり食べ応えがあります。

彩りを兼ねた具はシンプルににんじんの細切りのみ。もちろん鍋焼きうどんとの相性もバッチリです。

ことり

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松山城でも鍋焼きうどん

松山城本丸広場にある城山荘の店内

「ことり」で鍋焼きうどんを食べた後、もう一杯いけるという人におすすめなのが、松山城本丸広場にある「城山荘」の鍋焼きうどん。

城山荘のみかんジュースが出る蛇口とソフトクリーム工房

「城山荘」は松山城の本丸広場にある甘味&お土産店で、伊予柑ソフトが一番人気だというソフトクリーム工房や、愛媛県の都市伝説的な“みかんジュースの出る蛇口”もあって、松山城を訪れる観光客に大人気です。

城山荘の鍋焼きうどん

甘味処とはいえ、愛媛県の特産品や名物料理などの軽い食事もできます。中でも人気なのはやはり「鍋焼きうどん」。城山荘の鍋焼きうどんにトッピングされているのは、牛肉、卵、お揚げ、ワカメ、青ネギ、そして愛媛県の名物じゃこ天!こちらも「ことり」と同様、甘めのつゆにやわらかいうどんですが、「ことり」とはまた違った味わいが楽しめます。

松山城本丸広場からの眺望も絶品

松山城本丸広場からの眺望

本丸広場にあって違和感のない、重厚な瓦屋根に白壁の黒板張りという外観は、まるでお城の一部のよう。松山の街を見下ろしながら味わう鍋焼きうどんの味は格別なのです。

城山荘

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松山の観光スポット・城山を散策!

松山城天守と松山城のマスコットキャラクター よしあきくん

せっかく本丸広場まで上がってきたのだから、鍋焼きうどんを食べるだけでなく、松山城もしっかり観光したいもの。松山城は国指定史跡であり、現存12天守の一つ。360度の眺望を誇る天守閣からの眺めは、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンの一つ星にも選定されています。

松山城の櫓

幕末に再建された大天守と小天守、南北の櫓を連結した「連立式天守」や、本丸から二ノ丸を囲むように築かれた「登り石垣」などは迫力満点で、重要文化財も目白押しで見応えがあります。

松山城天守

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松山の鍋焼きうどんまとめ

ことり店内でごちそうさま!

讃岐うどんの対極に位置するような愛媛・松山の「鍋焼きうどん」。「腰抜け」とは、単純に「コシがない」という意味ではなく、「腰が抜けるほどおいしい」という意味なのかもしれませんね。

最後に、甘い甘いと連呼してきましたが、決して砂糖をたっぷり使ったベタベタとした甘ったるさではなく、あくまで優しさを感じる甘さであること。やわらかい麺というのも、やわらかくてもクタッと煮崩れた麺とは違うこと。この2点を追記させていただきます!

松山人のおもてなしの「甘い」が詰まった「腰抜けうどん」を食べに来てみてくださいね。