
STORY
あの人に会いに行こう!“移住者オーナー”のお店【愛媛編】
旅先では、人との出会いも大切な思い出の一つになりますよね。今回ご紹介するのは、愛媛県にある“移住者オーナー”が営むお店。「この場所でお店をやりたい…!」と選び、移り住んできた方たちだからこそ知っている地域の良さを聞いてきました!この記事を読んだ後、あなたもきっとすてきな移住者オーナーさんたちに会いに行きたくなるはずです。
夏休みの原風景が残る北条で過ごす「PUBLIC HOUSE はま」

松山市の北条地区は、穏やかな瀬戸内海とかんきつが香る山に囲まれた気持ちのいい場所です。松山市街地から好アクセスなのに自然豊かなのが、ショートトリップにもうれしいところ。それはまるで、子どもの頃にめいっぱい遊んだ夏休みの原風景そのもの…!
そんな海辺の町で喫茶・セレクトショップ・ゲストハウスを併設する「PUBLIC HOUSE はま」を営むのは、オーナーの長野さん。学生時代から宿を開業することが夢だったという長野さんは、2022年に九州からこの地へUターンしました。

お店に入ると、どこか懐かしい雰囲気が漂います。
かつては駄菓子屋さんだったという建物をリノベーションしており、1階が喫茶・セレクトショップ、そして2階がゲストハウスとなっています。

セレクトショップは、長野さんが実際に赴いた場所で魅力を感じたものや、つながりを持った作家さんの作品をメインに展開。取材に訪れた日はニットウェアが充実していました…!
その他にも、パンやアロマなどが販売されており、長野さんの興味関心や人柄がそのまま感じられるラインアップにワクワクします。

喫茶・セレクトショップ・ゲストハウスで、バラエティー豊かなものに囲まれた時間を過ごせる「PUBLIC HOUSE はま」。
「知り合いをつてに単身で飛び込んだアイルランドで、“パブリック・ハウス”という文化に触れました。そこでは年齢や職業、国籍も何もかも関係なくグラスを交わしてその時間を共有する。そんな場所を生まれ育った北条地区にも作りたいと思ったんです」と長野さん。
バラバラなようで混ざり合い、その調和が心地よい店内は、在学中にワーキングホリデーでアイルランドを訪れた長野さんの経験が映し出されていました。

喫茶スペースで窓の外の海と港町を眺めながらコーヒーブレイク。この日はちょうど“間借りカフェ”営業中で、「コーヒーのマーチ」さんのメニューを楽しみました!
ぼんやりと外に目をやると、鹿島からの渡し船(なんと船の上に鹿のモチーフがちょこんと乗っています!)が港に入っていく様子や、気ままに散歩する猫、下校時間なのかランドセル姿の小学生たちが。
「ものすごく普通の日常なんですけど、そんなとりとめのない時間が流れているところが北条の良いところです」という長野さんに、よんでん編集部はうんうんと力強く首を縦に振るのでした。

海沿いの北条地区はサイクリストや日本一周をもくろむ若者たちが多く立ち寄り、その海の美しさに感動するのだそう。
忙しない日常から解放されて一息つきたいとき、「PUBLIC HOUSE はま」の存在が心強いですね。
PUBLIC HOUSE はま
湯の町・道後にたたずむ手作り空間「シナモンゲストハウス道後」

道後温泉本館から歩いて約2分の場所にある「シナモンゲストハウス道後」。オフホワイトの壁にレンガとグリーンの差し色が美しい建物が目印!
エントランスの花壇などに使われているレンガは、かつてイギリスで使われていたビンテージもの。おしゃれながらも道後の町並みにすっとなじむデザインに心惹かれます。

オーナーの後藤さんは、東京やニュージーランドで、ゲストハウスのスタッフや料理人として働いていたこともある経歴の持ち主。そんな後藤さんが、自分自身のゲストハウスを開くのに選んだのが道後エリア。人気観光地と住みやすさが入り混じったバランスと、コンパクトなところがお気に入りなのだそう。
「1階の共用スペースは雰囲気にこだわりました。ヨーロッパの田舎をイメージしています」。その言葉の通り、しっくいとレンガの壁は絵本の世界のようで、写真をつい撮りたくなっちゃいます。
宿泊者同士の交流が生まれることもあるアットホームな共用スペース。後藤さんにお話を聞いてもらうゲストも少なくないのだとか。

ゲストハウス内にはシャワールームが設置されていますが、せっかくなので道後温泉や外湯へ行くのも道後に泊まる醍醐味…!

時には得意な英語を使って、海外からのお客さんをアテンドすることもあるそう。いろいろな国や世代の人が行き交う観光地・道後で多くの人を出迎え、見送っています。
シナモンゲストハウス道後
- 愛媛県松山市道後湯之町4-50
- 089-916-9252
- なし
- https://www.instagram.com/cinnamon_dogo/
地のものを使った島のごはん屋さん「nicco」

宇和島市街地と橋でつながる小さな離島・九島(くしま)。ドライブがてらぜひ行ってもらいたいのが「nicco(ニッコ)」!海岸沿いの道から路地に入ると、白いのれんが「こっちだよ~」といわんばかりに風に揺られています。ここは、数少ない九島のごはん屋さんの一つ。
オーナーの水野さん一家は、旦那さまがIターンで、奥さまがUターン。地域おこし協力隊として関東から親子3人で移住しました。

古民家をリノベーションした店内は、居心地のよい畳敷きの空間が広がっています!大きな黒板や海で拾ってきたという流木、たくさんのワインの瓶などアーティスティックなレイアウトにとても引き込まれますね。
niccoで提供されるワインは、リゾートホテルでの勤務経験がある水野さん夫妻のセレクトという精鋭ぞろいです。

壁にはすてきなアートが。「KUSHIMA」の文字の周りには、かんきつや海など九島の豊かな自然がモチーフとして散りばめられています。記念にパチリ!

niccoのお料理は、地のものや生産者とのつながりを大切にしており、素材にとことんこだわり派。
中でも人気なのは、オーナーがその日「お客さんに振る舞いたい」と思った新鮮な食材を使った日替わりランチプレート。一皿にさまざまな食材が彩りよく詰まっていて、どれから食べようか迷っちゃいます!どうしてワンプレートランチってこんなにキラキラして見えるんでしょうか…!

よんでん編集部からもう一つおすすめしたいのが、デザートプレート。チーズケーキやレーズンサンドは全て手作り(夏季には自家製アイスクリームもおすすめです~!)。この日は木製のプレートに乗ってきました。絵本のような可愛い見た目にうっとり。食べるのがもったいない、でもフォークが止まりません…!
お料理をいただくと、水野さん夫妻が宇和島や九島の魅力を再発見していく様子を追体験するような気持ちになります。そんなniccoでのひと時を一度知れば、また訪れたくなること間違いなしです。
nicco発のイベントも定期的に開催されているので、詳しくはInstagramをチェックしてみてくださいね。

nicco
- 愛媛県宇和島市本九島1389
- 090-2822-3918
- あり(旧九島小学校グラウンドへお止めください。なお、ここはnicco専用ではなく島外からの来訪者用の共有駐車場となります)
- https://www.instagram.com/nicco_kushima/
- https://www.facebook.com/nicco.kushima/
まとめ
いかがでしたか?移住者オーナーのお店ということもあり、お気に入りの場所で自分らしい暮らしを体現している方ばかりでしたね。忙しない日々の中でふとした時に感じる窮屈な気持ち。そんな心を移住者オーナーさんの「好き」が詰まった空間で癒やしてみてはどうでしょうか。気になったお店があれば、非日常を味わいにぜひ足を運んでみてくださいね!