愛でたいSTORY

「半田そうめん」の老舗 八千代で工場見学|箸入れ体験と試食

徳島といえば半田そうめん

徳島県の特産品の一つ、半田そうめん。麺の太さと「コシの強さにノドが鳴る」ともうたわれる弾力・粘りが特徴です。おいしさの秘密を探るべく、半田そうめんの老舗「半田手延麺 八千代」の工場に潜入…!

工場見学では、熟練の職人技を間近で見られるだけでなく、希少な「生そうめん」の試食やお土産購入までできちゃいます。子どもから大人まで五感で学べる食体験へ。

【目安時間】約2時間(工場見学、箸入れ作業体験、幻の生そうめん試食)

「半田手延麺 八千代」って一体どんなところ?

半田そうめん八千代半田工場外観

吉野川の水運が栄えた江戸時代、船頭たちが奈良から持ち帰った製造技術がこの地に根付いたことが始まりといわれている半田そうめん。現在もこの地域には、半田そうめんの製造・販売を行う企業が複数あります。

その中でも「半田手延麺 八千代」は、江戸時代から続く昔ながらの伝統的な製法を守り、高品質で高級な手延べ麺を提供している老舗企業。国産小麦100%、国産米油100%を徹底して作られたこだわりの麺は絶品で、多くの人に愛されています。

まずは工場見学!半田そうめんができるまで

マスクや帽子、白衣を身に着けて準備OK!製造工程に沿ってガイドさんの説明を聞きながら、工場内を進んでいきます。半田そうめんが手際よく作られていく様子は見応えたっぷり。気になることがあればその場で質問すると、分かりやすく解説してくれますよ。

1.練り作業・踏み作業

練り作業の様子

国産小麦と塩水を混ぜ合わせて40分ほどかけて練り込みます。国産小麦を100%使った麺は全国でも珍しく、八千代のこだわり…!練り込んだ生地は麺圧器に入れて回しながら円状の生地に仕上げていきます。

2.いたぎ*

いたぎの様子

生地を幅約12㎝、厚さ約7㎝の帯状にして桶に巻き込んでいきます。熟成させた後、麺帯を3本合わせてロールに通し、1本の生地にします。まだまだそうめん感は薄く、パン生地にも見えますね。

*いたぎ(板切)とは、帯状にした生地を板状に切り出していく工程のこと。

3.2枚合わせ

2枚合わせの様子

先ほどの麺を2本合わせてロールに通します。この工程を繰り返し行うことで弾力が生まれます。この時点で直径3㎝ほどの麺になります。

4.荒ぎ・小ヨリ*

荒ぎ・小ヨリの様子

麺を2㎝くらいにして鉛筆ほどの太さになるまでこの工程を繰り返します。次第に生地にツヤが出て滑らかになります。ねじることでコシのある麺へと変化していくので、半田そうめんの味を決める大切な工程の一つです。

*荒ぎ(荒ヨリ)・小ヨリとは、共に麺によりをかけながら紐状に細く伸ばしていく工程のこと。

5.掛け巻き

掛け巻きの様子

麺帯をねじりながらヨリをかけて2本の串に八の字を描くように掛けて延ばしていきます。この工程が終わったら3時間寝かせて熟成させます。

6.小びき*

小びきの様子

50㎝ほどに麺を延ばし、再び2~3時間熟成させます。

*小びきとは、生地を引き延ばす工程のこと。

7.乾燥・箸入れ

箸入れの様子

熟成後に麺を2mほどの長さに引き延ばし、「はた」と呼ばれる道具につけていきます。麺に箸を入れて均等にさばき、引っ付いている麺を手作業でほぐしていきます。

8.乾燥

乾燥工程の様子

乾燥室で冷風乾燥器に3時間ほどかけます。その後、次の朝までそのまま寝かせ、翌朝ゆっくりと5時間ほどかけてさらに乾燥させます。「寝る子は育つ」とはよくいいますが、半田そうめんもそうなんですね~!

9.裁断

裁断の様子

麺の水分が13%以下になるまで乾燥させ、裁断します。この水分量がおいしさにつながります!

10.選別・結束

選別・結束の様子

品質を人の手と目で厳しくチェックします。機械の検査にもかけて、ダブルチェックを欠かしません!無事に合格した麺のみを結束して出荷に向けて箱詰めします。

11.保管・出荷

すっかりスーパーやお店に並ぶ姿になった半田そうめん!保管庫で出荷を待ちます。

「箸入れ」体験で伝統製法に触れる

半田そうめんの製造工程を一通り学んだら、次は体験!八千代では「箸入れ」が体験できます。ここでおさらい。箸入れとは、「はた」と呼ばれる道具につけられた麺に箸を入れて均等にさばき、引っ付いている麺を手作業でほぐしていくこと。職人技を見た後に挑戦するのはちょっとドキドキですが、いざ!

箸入れ体験の様子

実際に体験してみると、麺は弾力もあってずっしり…。使うお箸も長くてコントロールが意外と難しいんです。これをあのスピードでさばいていたと思うと驚きです。最初はゆっくりと箸を入れていき、職人さんの説明に沿って慎重に動かします。だんだん慣れてきたら麺を細く整えていくのが楽しくなりますよ。

激レア!「幻の生そうめん」を味わう

工場見学でしか食べられない「生そうめん」

箸入れ体験で集中力を使い果たしたら、おなかぺこぺこに…。そんなベストタイミングで体験できるのが「生そうめんと乾麺の食べ比べ」です!出荷時には乾麺として出すので、工場でしか味わうことのできない生麺を食べることができます。まさに「幻の生そうめん」…!

実際にここでは市場に出回っている乾麺をゆでたものとの食べ比べができちゃいますよ~♪出来たての生そうめんは、むちっとした食感でやみつきになること間違いなし。ぜひその違いを現地で確かめてみてくださいね!

お土産もチェック!おすすめは「オーガニック八千代」

工場では八千代の半田そうめんを購入することができます。お土産にいかがでしょう!

一押しはオーガニック八千代

基本的にはほぼ全商品を取り扱っており、その中でもおすすめはお客さんの要望から生まれた「オーガニック八千代」。半田そうめん初のオーガニック商品で、転換期間中*の有機小麦を使用した風味豊かな味わいへと仕上がっています。気になる方はぜひ手に取ってみてくださいね!

*有機栽培を始めて最初の2年間で収穫された農産物のこと。

なお、八千代の商品は「道の駅くるくる なると」など県内の施設でも購入することができますよ♪

愛でたい四国では「道の駅 くるくるなると」の紹介記事も公開中。気になる方はぜひチェック!

まとめ|徳島の食文化を五感で楽しもう

四国山脈から冬場に吹きおろす風「剣山おこし」と吉野川の澄んだ水、そして国産小麦から作られる半田そうめんは、半田という地域の美しさをそのまま味わうことができる徳島の大切な食文化の一つ。工程を見て分かる通り、現代においても製法は完全な機械任せではなく、要所要所に人の手が入っています。

江戸時代に始まり、約300年の歴史を誇るそのルーツや製造の裏側をのぞくのはワクワクしますね。製造工程の見学から味比べまで、充実した体験を楽しめる半田手延麺 八千代。家族で訪れて自由研究のテーマにするのも良さそうです♪

愛でたい四国では「半田そうめん」を含む徳島のご当地麺紹介記事も公開中。気になる方はぜひチェック!

関連記事