愛でたいSTORY

精油の作り方を学ぶ!「和悠香LABO」で思い出を香りに宿す蒸留体験

高知県産素材にこだわった和悠香の精油

心癒やされたり、集中力を高めたり、暮らしの中で気持ちを切り替えたい時に効果的な“香り”。香りを楽しむアイテムの一つに、「精油(エッセンシャルオイル)」があります。

精油(エッセンシャルオイル)は、100%天然の素材から抽出したアロマオイルのこと。その中でも日本国内の素材を原料としたものを「和精油」といいます。シンプルだからこそ素材そのものの良さが香りに現れ、その土地の特長がよく伝わるんです。

そんな精油を旅の思い出として持ち帰ってみませんか?今回は高知県日高村にある「高知FORESTVISION『和悠香』」が運営する蒸留工房「和悠香LABO」にお邪魔しました♪

和悠香LABOの外観

周りを木々に囲まれた秘密基地のような工房が「和悠香LABO」。目の前は仁淀ブルーで知られる仁淀川が穏やかに流れる心地のよい場所です。

ここで作られる精油は材料、水、燃料その全てが高知のもの。まさに高知の記憶を身にまとうことができるんです!

【体験その1】地域を循環するサステナブルな精油蒸留工房を見学

「和悠香LABO」では常圧水蒸気蒸留法を採用しています。常圧水蒸気蒸留法とは、香りの材料を窯に入れて水と一緒に加熱し、その水蒸気から香りを抽出する方法のことです。

地球に優しい設備と方法にこだわり、水は山から引き込みオンタイムの新鮮な水を使用し、燃料となる木材は日高村内で出た間伐材や建築廃材を再利用しています。

また、工程の中で電気・ガスなどの原動力は使っておらず、薪をたく際に排出される二酸化炭素も薪が吸収した二酸化炭素を大気中に戻していることとなり、排出・吸収のバランスが取れていることから『国内唯一のカーボンニュートラル精油蒸留工房』となっています。

和悠香の精油

香りを決める原材料は、ユズや文旦、小夏に八朔、青ユズなど爽やかな柑橘類から山椒などさまざま。また、森林率が80%を越える高知らしいスギやヒノキ、マキといった樹木のラインナップも豊富!

自然に優しく地元と共生を意識した取り組みを率先して、蒸留後に出る残さも肥料として再活用し、原料となるハーブを育てる畑に撒くなど、循環する仕組み作りがなされています。

精油の作り方を間近で見学

和悠香LABOの蒸留風景

ここからは蒸留の工程に沿って工房を見学していきますよ!和悠香LABOの機関部に潜入します。

1.準備
蒸留器に素材となる植物等をセットし、水を加える。

2.加熱
水を沸騰させ、発生した蒸気を香りの元となる素材に当てる。

3.冷却
発生した蒸気を冷却管に通し、気体を液体に戻す。(まるで理科の実験のような工程にわくわく!)

4.分離と精油の回収
冷却された液体は比重の違いによって芳香蒸留水と精油に分離。上澄み部分の精油を慎重に回収。

精油を抽出していく

大きく分けると意外とシンプルな4工程。科学の反応で高知の自然素材が精油になっていく様子を間近で見ることができます!一滴の精油がどのようにして生まれるのか、精油の奥深さや繊細さを感じられます。

【体験その2】自分好みの“高知の香り”が見つかる「試香体験」

80種類の精油を全てお試しできる試香体験

部屋にずらっと並べられた瓶は、それぞれ香りが違う80種類の精油。試香体験ではこれら全ての香りを比べることができます。これだけ種類が豊富であれば、お気に入りの香りが必ず見つかるはず。

高知県内の市町村と連携した香りはぜひ試してみてください!越知町はピリッとキレのある“山椒”、黒潮町は“グリーンレモン”とクスノキ科の樹木である“芳樟(ほうしょう)”、宿毛市は特産であり「酢みかん」として親しまれている“直七(なおしち)”など、それぞれの土地を想起させるラインナップ。香りからその背景のストーリーまで見えてきます。

テラスからの仁淀川

天気が良ければ仁淀川の見えるテラスにも出られます。仁淀ブルーから湧き出るマイナスイオンを浴び、天然素材の精油の香りに包まれたら、身も心もリフレッシュできること間違いナシ!

直感的に「これだ!」と思った香りに出会ったら、ぜひ原材料が高知県のどこの地域かチェックしてみてくださいね。次の旅先を香りで決めるのもその土地に呼ばれているような感じがして、素敵だと思いませんか?

ちなみに、気に入った香りはその場で買うこともできます!LABO価格でお得に手に入れられるのも現地ならではの良さです♪

クロモジウォーター

よんでん編集部おすすめは「クロモジウォーター」!高知嶺北エリアのクロモジを使っており、すっきりとした香りがします。

肌に優しく、ナチュラルな成分で作られているので、スキンケアにもおすすめです。さっぱりとした使い心地で、肌にしっとりと潤いを与えてくれます。

また、香りがとても心地よく、疲れた時や気分をリフレッシュしたいときにスプレーするだけで、まるで森の中にいるような爽やかな気分に包まれます。

【体験その3】「蒸留体験」で気分は香りの研究員!

香りと美しい日高村の自然に癒やされたら、楽しみにしていた精油蒸留体験!蒸留する原料を刻む仕込みの作業から、採油、遮光瓶へ充填する工程を全て自分の手で行います。もちろんプロの立ち合いのもと行うので安心して挑戦できますよ!原料は季節によって変動しますが、初めてでも比較的採油率の高い樹木や柑橘系の蒸留をし、採油した精油の香りを体験できます。

蒸気がもくもくと立ち昇る様子は思わず目で追ってしまいます。「こうやってぼーっとする時間、自分の普段の生活にはあったかな?」とふと考えてみたり、自然と自分が調和していくような感覚が味わえたりします。

気体を液体に戻して精油を抽出する

蒸留したものが液体に変わって精油になっていく様子も、ぜひ現地で見てもらいたい光景です。時間をかけて作業していくと、川のせせらぎや木漏れ日、誰かの話し声に鳥の歌…そういったものがこの一滴一滴に凝縮されているような気持ちになります。自分だけの香りを作り上げる過程は、まさに心と体をリフレッシュさせてくれる時間です。

完成した精油は瓶に入れて持ち帰ることができます。自分で作った精油が香るたびに、この日の事を思い出させてくれそうです。香りの力を実感し、自然とのつながりを感じながら、自分自身にぴったりな香りを見つけることができる素敵な体験です。心安らぐひとときを楽しみましょう♪

精油・エッセンシャルオイルの使い方

お家に持ち帰った精油はどんな風に使うのがベスト?よんでん編集部がおすすめする方法を3つご紹介するのでぜひ参考にしてください!

➀リラックス効果抜群!|アロマバスでワンランク上のバスタイム

精油をたらす様子

いわゆる「沐浴」なのですが、湯船に数滴垂らすだけで香りがふわりと広がります。身体を芯から温めつつ、いい香りに包まれたならその日の疲れやもやもやも吹き飛んでしまうはず。

*精油はお湯に溶けません。無水エタノールやバスベースに溶かして使いましょう。
*ミント系や柑橘系は肌への刺激が強い場合があります。量を調整してお楽しみください。

②簡単にお部屋の香り付け|芳香浴

アロマストーン

アロマストーンやアロマディフューザーと組み合わせて芳香剤として使う方法です。特にアロマライトなどを使うとお部屋の雰囲気がぐっとおしゃれになります。

③ふんわり香るのがお好みの方へ|アロマスプレー

アロマスプレー

無水エタノールに精油を加えればお家でも簡単にアロマスプレーが作れちゃいます。枕やシーツなどの寝具やカーテンに吹きかければ、柔らかく香ってくれるのでルームスプレーにもちょうどいいんです♪

まとめ|香りと旅の思い出を結ぶ新体験

香水などファッションとして香りを楽しむ人が多い中、心と体を整える観点から天然素材を使った国産精油も再注目されています!原料となる植物の薬効成分から、ストレス解消やリフレッシュ効果や殺菌・虫よけにもなる優れもの。ナチュラルテイストが好みの方には特におすすめしたいアイテムです。

人間の五感のうち嗅覚だけが、記憶と関係の深い大脳辺縁系という器官と結び付いているのだそう。つまり、旅先の香りを持ち帰ればいつでも思い出を振り返ることができる、ということです!香りによって訪れた土地の記憶がよみがえる心地の良さを、ぜひ体感してみてくださいね。

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